展示感想:山内康嗣個展「Look in」中和ギャラリ
中和ギャラリーの山内康嗣個展「Look in」行ってきました。
以前の大回顧展とは違うものの、以前の作品も並べたこれまでの山内さんの活動を俯瞰できるような展示になっていました。
これは、十年前の作品です。山内さんは、画像と画像の間に、表現の薄い空間が展開するのを嫌い、さまざまな手法の描きこみをするようです。
この描かれたものと、描かきたいもの、描くべきものの隙間は、山内さんのひとつの意匠かもしれません。
それが、二つの違う質感の重ね合わせの手法にもでているのかもしれません。
シニフィエとシニフィアン、記号と示すもの、ある世代には、その乖離は、思索のテーマとして大きな意味をもっていました。
〈大きな物語〉と、その崩壊。
それは、今日には、ポスト・トゥルースやフェイクの問題として現れていると思います。
AIとは何かを問う作品
そして、奇跡的に残存していた子供の頃暮らした長屋、集合住宅の作品。
過去と未来のはざまのひと巡りの間の彼と時代と、表現の推移を見に行ってください。