見出し画像

紹介【なぜハワイ】<二章 「ブッダヘッド」なハワイの日系人>ーー「思想の科学研究会 年報 創刊号DISPLAY」より

「なぜ ハワイ」は、山本英政さんが、『思想の科学研究会 年報』に連載している記事です。

第二章、では、アメリカ本土の日本人を揶揄する「コトン」という言葉がでてきます。

”「コトン」は「KOTONG」とつづり、呼称の由来には諸説ある。もっともよく知られているのは「ヤシの木」バージョンである。昔、ハワイに休暇でやってきた本土の日系二世がワイキキの浜辺でヤシの木陰で座って涼んでいた。はじめサラサラと気持ちよく吹いていた風はしばらくするうちに強まり、頭上の大きな葉っぱはザワザワと揺れはじめた。こんなとき、ハワイの人間ならヤシの木の下にはいない。案の定、堅くずっしりと重い果実が高いところから垂直に落下して男の脳天を直撃し、彼を気絶させてしまった。このときの衝撃音が「コトン!」。本土の日系人の「無知」がからかわれている。”        ーーー本文より

 この他、第二次世界大戦のときの、日系部隊のエピソードが取り上げられ、そこから由来するエピソードも上がっています。

”ハワイの日系二世たちは親である一世の古い価値観を「マジョリティ」の選択として受け継いだ。そうしたハワイ系からみて本土の二世たちは言葉づかいや態度において許せないほど「白人」的であり、日本の心を失った「空っぽ頭」と映ったのである。

本土系の方もハワイ系を「ブッダヘッド(釈迦の頭)」と呼んだ。キリスト教が優勢なアメリカの国民でありながら、親の出身国の古い仕来たりをいつまでも固持する「石頭」、「田舎っぺ」と嘲笑した。”  ーーー本文より

  このふたつの隙間、そこに今の日本人の困惑もあるかもしれませんね。



「思想の科学研究会 年報」は、研究会のサイトで無料公開しています。


最近、研究会のサイトは、引っ越しをしました。

いいなと思ったら応援しよう!