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展示感想: Gallery Face to Face「記憶と風景」翁素曼/坂本 麻由里/そめやまゆみ/田中玲子/村瀬都思 4月22日(金)〜5月1日(日)
Gallery Face to Face「記憶と風景」
行ってきました。立体作品と平面的な絵像作品が織りなす空間は、楽しいものでした。
村瀬都思さんの作品は、ベニヤをキャンバスとして白色のアクリル画材で描いたものですが、単色故に濃淡と厚みを使いわけることで、表現の深みをだしています。
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そめやさんの作品は、銅版画ですが、色彩の中の線が、疎ゆえに力強さを感じます。
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さまざまな営みの姿を、作品の中に取り込む翁素曼の立体作品は、その粗雑さゆえに、ガヤガヤとした喋り声が聞こえるようです。
ひとびとが行き交う、下街の巷のようで、個性がぶつかるグループ展を、まとめる力を働かせてます。
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日本画の坂本麻由里さんの作品は、岩絵具の特性がよく出ていて、物質としての画材が、本来の鉱物に回帰していて、それが岩の表面の凹凸感をだしてます。
そこで、描かれる記憶としての風景が、さまざまなこころのへだたりとして、試みられています。
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田中さんの記憶のガラス玉は、静かな存在感を示してくれてます。グループ展のなかで、平面画のフリをしながら、佇んでいる様子は、まさに、風景のようでした。