表現再考:水沢腹堅 沢に氷が厚く張りつめる
ついに大寒の末候、水沢腹堅です。これは、沢の水がこおりつめるという意味です。冬至の後、寒さが一番強くなる時期です。
本朝の大寒は、「款冬華(ふきのとうが蕾を出す)」、「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」、「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」となっていますが、宣命暦では「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」、「鷙鳥厲疾鷲(鷹などが空高く速く飛び始める)」、「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」です。
宣命暦のオリジナルを、微妙に順番を組み換えたようなかんじですが、自然に交わる佇まいがやはり違うなと思います。本朝では、文机を前にして物思いに耽る姿をおもいますか、宣明暦では、野山にありて見る景色を想像します。
寒さが厳しい大寒ですが、暦の上では、もう数日もすると春、立春です。体感と暦の違いも面白いものですね。