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展示感想: 「手のひらミニアチュール展」Gallery Face to Faceその1、人物画、平林孝央、山内康嗣
「手のひらミニアチュール展」に行ってきました。本当に手のひらにおさまる大きさの作品がこれでもかというくらい並んでいました。
最近は、画面でも、コピーでも簡単に拡大、縮小ができるようになりました。
それぞれの作家の表現も単純に小さくなっただけではありません。
絵というものは、物質的なものですから、さまざまな制限が、かかります。
平林さんは、微細で丁寧な表現が特徴的です。鉛筆画やペン画ですが、一本の線は、画面の中で相対的に太くなります。
そのことが、彼の描く少女達のイデア性が薄れて、体臭を感じて、リアルにそこにいるかのような効果を産むようです。
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画廊の入り口には、昨年の風景画が展示されていました。居るはずの人物が、神隠しにあったかのような錯覚は、いつもの作品を知るからかもしれません。
山内康嗣さんの作品は、ネガとポジともいえる二層構造ですが、さすがにこの大きさでは、複雑な形にすることはできません。
その分、意図が見えるようで、こちらの想像力を掻き立てます。
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このシンプルさの段差が作り出す見えない余白が、味わいを与えるのでしょうか。
さまざまな技巧を凝らしたケーキより、黒砂糖の小さな塊に、甘さの確かな味わいを感じるようなものかもしれません。
4月3日までです。