オンライン時代の社内コミュニケーション実践記
桜の季節もすっかり終わりを迎え、いよいよゴールデンウィークが迫ってきた今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
月日の流れは早いもので、昨年、政府が緊急事態宣言を発令したのが4月7日。それからかれこれ1年が経ちました。緊急事態宣言を機に、ワークスタイルが、テレワークへと移行していった会社もあるのではないでしょうか?私の会社も少なからずその類に入ると思います。
今やオンラインで仕事するというワークスタイル、ひいてはオンラインを通じたコミュニケーションは、私のような1サラリーマンにおいても、至極一般的なことになりつつあります。
一方で、オンラインでのコミュニケーションは、従来型のオフライン(つまり対面)でのコミュニケーションとは異なる性質を持つのもまた事実かと思います。「オンラインはなんとなく苦手。」「オンラインはなんとなく疲れる。」と感じられている方も多いのではないでしょうか?
しかし、ふと思ったんです。「なぜオンラインは疲れると感じるんだろうな?」と。そもそも、どんなシチュエーションで?どんな場面で?そう感じるんだろうと。思い当たる場面を考えてみました。
例えば、、
相手が忙しいかどうかわからないように感じる場面?
発言に対し、相手の反応が読めないと感じる場面?
仕事以外の事を話せる雰囲気かどうかわからない場面?
こう想像してみて、私たちは、オフラインでのコミュニケーションにおいては、相手の表情、ジェスチャー、反応などを見て、次の行動を決めていたんだなと思いました。
では、どうやってこのオンライン時代に、私たちはコミュニケーション方法をアップデートしていけば良いのでしょうか?
今日はこのテーマについて、私がここ最近実践していることと、そこからの学びについて書いていきたいと思います。
そもそもコミュニケーションっていつしてた?
オンラインでのコミュニケーションを考えていく中でふと思ったんです。そもそも私って、いつコミュニケーションしてたんだっけ?と。
そこでオフィスに出社していた時代のことを思い返してみたところ、気づいたんです。コミュニケーションは会社に到着した直後からやっていたのだと。
私の場合、2018年頃まではオフィスに決められた座席がありました。出社から、仕事に向かうまでの一般的な流れを書いてみると次の通りです。
チームメンバーに挨拶する
↓
自分のデスクにカバンを置く
↓
トイレに向かう
↓
たまたま会った同僚と雑談する
↓
カフェテリアに向かう
↓
コーヒーメーカーでコーヒーを作る
↓
待っている間、また同僚と雑談する
↓
デスクに戻って仕事開始する
考えてみると、仕事を始めるまでに3度もコミュニケーションをする機会があったんです!当たり前過ぎたことだっただけに、今更ながら大きな驚きを感じました。
1つ1つの会話はとても短時間のものです。時間に直すとわずか、1分、2分といった単位。しかし、オンラインでのコミュニケーションが中心となった今となっては、その時間はほぼ0になりました。先ほど示した私の事例で示すと次のようになります。
デスク周りを整理する
↓
スマホ片手にトイレに向かう
↓
スマホ片手にキッチンに向かう
↓
コーヒーを入れる
↓
デスクに戻って仕事開始する
全体的な流れは変わっていませんが、今まで「雑談」だったところがごっそり抜け落ち、代わりに「スマホ」が相棒になってしまったわけです。些細なことかもしれませんが、心理的には大きな影響があるような気がします。
また、オフライン時代と同じ状況をオンラインでも再現しようとすると、どうしても無理が出てしまう点も悩ましいところです。
朝にいきなりチームメンバーに電話、チャット、zoom等を使って強制的に場を作ることは可能ですが、メンバーの反応が、「今は別に話したい時じゃないんだよな。。」とか、「あぁほんとは今忙しい時間なんだけどな。。」とか言った心理状態になることも容易に想像できます。
特に、フレックスタイムの会社では、メンバーそれぞれが全く違う時間枠で働いていますので、オフラインでできていたようなたまたまそこに居合わせたメンバーと、自然なかたち雑談する状況を再現することは、2021年4月現在では、まだまだ難しい状況だと思います。
では、私たちはこのオンライン時代において、朝のなんでもないコミュニケーション(雑談)を、どう自然なかたちでデザインできるのでしょうか?これは言わば、「朝の雑談 2.0」とも言えるやり方を模索することなのかもしれません。
朝の雑談2.0 - 私の実行戦略 -
ヒントは、私が普段参加しているオンラインサロン(澤サロン)の分科会「noteもくもく会」にありました。キーは次の通りです。
朝のひととき
同じ目的
緩い繋がり
これらキーワードが、自然とこのオンラインの場に、メンバーの心を向かわせるように思います。
実際、2月中旬から約1ヶ月続いた小さなプロジェクトで、実験的に「○○プロジェクト もくもく作業部屋」というオンラインの部屋を作って、プロジェクトを運用してみました。
プロジェクトのゴールは、とある社内研修でプレゼンテーションを実施すること。毎朝9:30から10:00を「もくもく作業部屋」とし、プレゼンの企画を考えたり、資料を作ったり、リハーサルをしたりする場にしました。参加は毎回全員任意。途中参加、途中退出も全てOKと、本家(?)もくもく会のスタイルを踏襲し、3週間続けました。
結果何が起きたでしょうか?
毎日メンバー同士が顔を合わせることで、挨拶から1日をスタートさせるメンバーが増えました。(私もそうです。)雑談を交えつつも、目的に向かってみんなで考え、手を動かしたことで、短期間ながらも意見のまとまった素晴らしいプレゼンテーション資料が出来上がりました。研修当日は、当事者4人が各パートをプレゼンしましたが、メッセージ性やストーリーに統一感が生まれ、ひいてはプレゼンを普段することのないメンバーでも自信を持って望めたように思います。
雑談もオンラインの場に帰ってきました。メンバーの所属するチームが抱えるそれぞれの問題、仕事と家庭との両立、最近のオフィスの出社率、オフィスの下にできた新しいレストランの話、などなど。まるで今までの鬱憤を晴らすかのように、会話が盛り上がったことは今でも印象深いです。
30分という時間の長さも最適だったように思います。雑談をしながらプロジェクトのことについても議論していたらあっという間に終わってしまう長さ。不完全さが残るからこそ、次の日もまた参加しようと思えたように思います。30分という時間枠だと議題として話せるものは、せいぜい3つまで。話すトピック数が少なくなると、必然的に1回あたりの会議メモも少なくなります。このように、1日あたりのインプット量、あるいはアウトプット量を減らすことで、必然的に情報の精査や処理が早くなったように思います。
まとめ
オンライン時代のコミュニケーションにおいて、キーとなるのは自然な雑談タイムの設計だと経験を通じて学びました。
キーとなるのは、次の3つ。
朝のひととき
同じ目的
緩い繋がり
時間は30分程度がおすすめです。時間を短くすることで、会議単発あたりの情報量を抑えることができるため、疲れの軽減に効果がありそうです。
また、目的を持つことで、単なる雑談だけのために設定された時間と異なり、自然と集まろうと思うマインドセットにもなります。また、会話のネタで困ることもありません。
ミーティングは任意参加とすることで、参加者は、その日の仕事状況、モチベーションなどを基準に出欠を判断することができます。頻度を週3〜5回にすることで、キャッチアップも十分に可能。緩く設計することで、参加するメンバーの気も楽になり、心理的安全性も高まるように思います。
今回の取り組みを通じて、私はこれこそが、「朝の雑談 2.0」の源泉となりうるなと感じました。3月で終了したプロジェクトと置き換わるように、また新たなプロジェクトで「もくもく作業部屋」を続けています。これからもこの取り組みを加速させ、オンライン時代における新しい「朝の雑談」を追及していきたいと思います。
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