サルグミンヌのステンシルプレート
フランスのブロカントで時々見かけるステンシルで絵付けされた可愛らしい食器たち。
ステンシルはフランス語で「ポショワール」と呼ばれて、日本のように古くから絵画や染色などに用いられた技法だそうです。小学校の図画工作の時間で試された経験のある方も多いかと思われますが、金型があり絵具や染料を型の上から刷って絵付けをします。
こちらのプレートはCevennes(セヴェンヌ)シリーズ。セヴェンヌはフランスの中央高地の山脈なので、そこに咲く野の花をイメージしたのでしょうか。
ワインレッドに近いダークな赤色で、リムの絵柄も凝ったデザイン。ステンシルの色合いには濃淡があり、1枚ずつ異なって見えるところに個性があります。まるでルージュのような色合いで、大人可愛いレトロな雰囲気のケーキ皿。
このシリーズは1790年創業の老舗食器メーカーのサルグミンヌ社(Sarreguemines)によるものです。サルグミンヌという街はフランス北東部かつてのロレーヌ地方にあり、昔からフランスとドイツの間で政治も人も文化も揺れ動いた土地。19世紀後半にディゴワン窯を吸収して陶磁器の生産を続けました。
食器にまつわる複雑な歴史は知るほど興味深く、生活を彩り受け継がれてきたお皿達も大切に使っていきたいものですね。