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悪い天禄星の忌々しい記憶
ウクライナ情勢長引いていますね。
ロシアへの経済制裁は色々と行われていますが、その一つにSWIFT排除があります。
そのニュースを聞いた時、派遣社員時代の記憶が蘇りました。
起業する直前まで就いていた、私の派遣社員最後の仕事は、外資系企業での経理職でした。
派遣されたのは、Accout Payable(直訳だと買掛金、転じて支払い担当)の部署で、海外送金の手配も少しだけあり、SWIFTコードというものも日常的に扱っていました。
SWIFTコードというのは、私たちが国内の振込で使っている、銀行番号、支店番号の国際版みたいなものと思って頂ければ大方間違ってないです。
大抵は毎月決まったところに送金しているので、機械的にチェックしていけばいいのですが、時々イレギュラーな支払いで、しかも振込先情報にSWIFTコードが抜けていたりすると、海外の金融機関のWEBサイトを調べて、コードを調べたりする作業もたまにありました。
そのイレギュラーな支払いの中には、ある役員への5,000万の支払いとかあって、「振込手数料だけで38万円とか、私の給料より多いじゃん!しかも何この資金移動?めっちゃ怪しいんですけど」なんてこともあったなぁ、なんて昔を振り返っているうちに、芋ずる式に嫌な記憶もどんどん蘇ってきました。
その企業では、上記のような怪しい送金以外の、通常経費支払いについては、フィリピンの外注スタッフが振込データを作成して行うので、日本のスタッフはその元になる請求書を日本語から英語に直す作業と、フィリピンから受け取った完成データをチェックしてSMBC(三井住友銀行)の一括振込システムに送信するのがメインの仕事でした。
ところが、このフィリピンのスタッフが締め切りに毎回遅れる。
この振込データには、毎月数千万の経費支払いと日本の外注スタッフへの報酬が含まれています。(正社員の給料振込は別で、日本にいる正社員がやってました)
それなのに、SMBCのデータ送信期限をとっくに過ぎてから国際電話してきて、「間に合わない」とかほざく。当然、取引先への着金も遅れるわけです。
電話での英会話なんてただでさえ苦手なのに、フィリピン訛りの英語なんて余計分からないし、そもそも、難なく聴解したり、流暢に話したりするほどの英語力なんて私にはありません。仕方なく、しどろもどろ苦情を言い立てるのが精いっぱい。
これが毎月毎月、繰り返されるのです。1,2回はSMBCの担当が特別に何とかしてくれたりしましたが、あまりに頻繁なので、そのうち対応してくれなくなりました。
毎月末、これを一人で対応するというのは凄いストレスで、ハッキリ言ってここまで来ると、一介の派遣社員の仕事を越えてます。
ある月など、絶対に朔日(ついたち)に着金しなくてはならい振込が、フィリピンの遅れのせいで出来なくて、朝から日本の経理スタッフ総出で銀行に走るという事態も起きました。
こんな酷い状態なら、派遣先の正社員である経理部長が出てくるべきですが、コイツがまた仕事しないオッサンで、まずあんまり会社にいない。
「オタクは営業マンか何かですか?」ってくらい、社内にいる時間が少なくて、月に10日くらいしか出社してこないし、来ても大体、1時間以上遅刻する。
だから全然頼りにならないし、一向に何も対処してくれないので、ある月末、いつものフィリピンからの『データ遅れます電話』を切ったあと、改めて英文で、
「あなた方の国とは違って、日本では締め切り厳守が鉄則です。振込が遅れると、あなたたちが考えている以上に大問題になるのです」
とメールを送りました。月末なのに出社していない部長宛てにCCも入れて。
そしたら翌日、相変わらず遅くに出社してきた経理部長が、このメールを読んで言いました。
「その通り!それが言いたかったんだ」
( ゚Д゚)ハァ????
「『言いたかった』んじゃねーよ、い・え・よ!なんのための管理職だよっ!おめーの貰ってる年収2,000万はドブに捨てた方がマシだわ!」
と叫びたかったのですが、出来なかったので、心の中でブチ切れて契約途中で辞めました。どうせ辞めるなら、叫べば良かった。
10年以上経った今でも、思い出すと腹が立つ。
アルバイト・正社員・派遣社員、色んな雇用形態を経験しましたが、
派遣社員が一番アホくさいです。まだ直雇用のアルバイトの方が何倍もマシ。二度とやりたくありません。
さて、ここからが本題です、
(前置き長い…)
この給与泥棒のオッサン、壮年期が天禄星でした。
天禄星は、思慮深く慎重で安定した星です。
天将星に次ぐ身強の星ですが、トップの星ではなくて、補佐役に適した星です。
常に全体のバランスを見て動くので、事なかれ主義に映ったりもします。
そういう意味でいうと、この経理部長は天禄星そのものですが、それではこの星のイメージが悪いまま終わってしまうので、算命学の授業の時に、簡潔にこの部長の例を挙げて、
「天禄星はみんなこんな感じ?それともこれは悪い天禄星の例ですか?」
と質問してみました。
すると先生はこう仰いました。
「天禄星というのは、自分はあまり動かなくて、全体を見ながら人を采配するのが元々の性質だから、その人は天禄星らしいと言えばそうです。でも、いざとなっても出てこなくて、部下に仕事しない奴だと思われるというのは、ちょっと陰転してますね。そういう意味では天禄星の悪い例だと言えます」
やっぱり!
普段は何してるか分からなくても、トラブルが起きた時には、スッと前に出てテキパキ問題を処理する、部下にとっては頼れる上司。トップの人間にとっては、欠かせない右腕、それが本来の天禄星。
会社のヒエラルキーでいうと、まさに中間管理職の星が天禄星ですが、いざとなっても全く役に立たない管理職は皆さんの職場にも沢山いらっしゃるんじゃないですか?
それなのに給料だけは若い人の2倍3倍も取って、ふんぞり返っている。
これでは日本の生産性は上がらなくて当然ですよね。
コロナで、世の中も働き方も急速に変わって来ていますが、こういう役立たずも一掃されればいいのに密かに願っています。