#10 星を見上げ、見下ろす
ものすごく暑い日が続くな。
でも今年は8月7日で立秋なんだよ。
秋なわけないよな(笑)
■ 河風のすずしくもあるか うちよする浪とともにか秋はたつらん 紀貫之
川の波が立つ。
その川の音とともにある河風の涼しさから、暑いだけの夏から季節の変わり目を感じた。
それを「秋はたつ」=「立秋」という。
今の暦でいう立秋のあたりを、昔の暦では7月7日で「たなばた」と言っていたらしい。
万葉集にこんな歌がある。
■ 天の川いと川波は立たねども伺候(さもら)ひ難し近きこの瀬を 山上憶良
織姫と彦星の話は、遣唐使あたりで中国大陸から伝わったそうだ。
夫婦になった二人がラブラブで仕事しないから、織姫の父親が怒って二人を離れ離れにした。
二人ががまじめに働いたら、1年に1回天の川を渡って逢わせてやるという話だったかな。
二人は年に1回、川=瀬を渡って逢える。
「逢瀬(おうせ)」ってここからくるわけさ。
奈良時代から、日本人も、天の川=星を眺めながら、香を焚き、楽を奏で、詩歌を詠んで織姫と彦星の逢瀬を想像してたんだろうな。
星を見て、男女の恋愛を思うというのは、こんなところから始まっていたんだな。
花火もやはり中国大陸からやってきた。
大陸では紀元前からあったらしいが、日本で初めて行われ、鑑賞したのは伊達政宗らしい。
星も花火も見上げるものだな。
その視線を逆にしたのがaikoだ。
■ 夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろして
たしかに好きなんです しかたないんです
aikoのこの歌、リズムに乗って聴いてていい曲だけど、内容がぶっ飛んでるよな。
「眠りつくかつかないか シーツの中の瞬間はいつも」
眠りにつく、自分の思いが空の上に駆け上がって、星座の上から花火を見下ろしてるっていう、ここまで好きな思いがアタマの中で広がっていくのかーって(笑)
誰も指摘しないけど、このイマジネーションの爆発的な広がりが、いち女の子の頭の中で広がっているのって、さすがaikoワールドだなって思うけどな(笑)
ワイルドターキーか、こういうウイスキーでカツっと飲むのも夏っぽくていいかも。
あ、来週はもしかしたら、店休むかも。
オレも夏休みもらうつもり。
ま、気が向いたら見せ開けるかもしれないけど、好きにさせて(笑)