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#28 字を書く


もう2021年もあと20日かー。
クリスマスも近いが、新年も近いな。

年賀状?
もう書く人いないかな。
オレは書くけどね。


メールでいいとは言うけど、それならそもそも必要のない人にメールする必要もないわけじゃん。
テンプレで書いたようなメールもらってもねえ。
あ、メールなんて言ってたら、もう昭和のおじさんなわけか!(笑)


SNSの友達、整理して、付き合いのある人だけにするのがスマートだわな。
でも、オレはそもそもそんなに、のべつまくなしに友達持ってるわけじゃないから、7割がもう会わないだろうという人でも、とりあえず、誕生日だってSNSが通知してくれば、テンプレでもメッセージは送ってる。
そういう「時間」をその人のために作る、それは、相手のため、もあるけど、それ以上に自分のためにしてるかな。

■ ご縁を確認する

という意味で。
あ、この人とは、こんな出会いだったな、と自分の時間を思い出せる。
相手には、ほとんど何の益もないだろうけど、自分の人生の小さな確認作業になると思う。

いいことも悪いことも「何かのご縁」つまり、何かを自分に考えさせ、気づかせてくれるものだってありがたく思うような気持ちで生きていれば、傲慢にならずに、小さなことにも喜べるような気になるんだな。


・・ま、それはそれとして。

年賀状は、どこかに空白を作っておいて、そこに「元気でやってます」的な短い言葉を、手で書いているかな。

手で書くの嫌?
字が下手だって?

まずは、丁寧に書こうとすればいいんだよ。
自分では、上手、下手って思うかもしれないけど、相手によっては、上手下手で見るかもしれないけど。
でも、相手が読むんだと思って、頑張って丁寧に書く。
そういう「時間」を相手のために作ることが大事なんだ。

お前が、「時間」を作って、相手のために手で字を書く。
相手は、どう思う?

中には上手下手で見るかもしれないけど、何より、「ああ、コイツの字だな」って思うんだよ。
もう100人中100人がさ。

手で書くお前は、自分の字がどう見られるのか気になるかもしれないけど、けっこう多くの人は、お前の字を見て、上手下手を言う前に、

■ 「お前」を感じ取るんだよ。

お前の「声」まで思い浮かべる。
それが実は、手書き文字のすごいところなんだ。

・・

■ おまいのしせにはみなたまけました

この言葉知ってっか?
福島の野口英世のお母さんの手紙の最初の言葉だ。

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「お前の出世にはみんなたまげました」って言ってるんだ。

野口英世は、1歳のころに、囲炉裏に手を突っ込んでやけどし、手が使えない子だった。
それでも勉強し頑張る子だった。
周りの人々がお金を支援して手術し、その手が治る。
その体験から医者になるんだ。

勉強し続け、アメリカのロックフェラーに認められ、海外で研究活動をする。
「黄熱病」という感染症をアフリカで研究中、自分も黄熱病にかかって亡くなる。


「おまいのしせにはみなたまけました」
母親のシカは、手で書く。

■ はやくきてくたされ

早く帰ってきて。
息子が、世界で活躍していても、母親はその息子に会いたい。
その仕事より、息子と会いたい。

内容もそうだが、この手書きの文字は、野口英世に母親の「声」まで思い浮かべさせただろうな。

手で字を書くというのは、

■ 自分自身の写真を見せるようなものじゃないか。

オレはそう思うんだよね。

・・
え?
でも、字の上手下手は気になるって?(笑)
そりゃ正直なところだな(笑)

まあ、いわゆるきれいな字って、本屋に行けばお手本や書き方指南の本があるから、「お手本」を真似してみればいいんだ。
中心線とか、傾きとか、格好の付け方を真似すればいい。
それって、面倒だけど、慣れだよ。
簡単に言えば

■ 格好つければいい

ほら、人と合うときには、社会人ならスーツ着るだろ。
ネクタイするかしないかも、その場に合わせればいい。
それって、フォーマルという、「お手本」を真似してるだけ。

でも、なぜフォーマルにするかっていうと、

■ 相手に対する礼儀

だからだ。

字を書くのに、上手じゃないにせよ、丁寧に書こうとするのは、相手に対する礼儀だと思えばいい。
下手くそでも、手本を見ながら、精いっぱいかっこいい字を書くようにする。
それでいいんだよ。


・・
手で書く。
でも、今は、もうキーボードであったり、フリックであったりするよな。
ただ、そんな無機質に思えるような文字であっても、SNSとかで見てると、その人を思い浮かべたりしないか?
オレはその人の「声」もイメージする。
だから、メール、あ、メールはオジサンだけど(笑)、誕生日とかでもわざわざ書く。
手で書かない時代であっても、書くという行為は、相手に何かを伝えてるんだと思うよ。

平成も30年続いたけど、大体20年ぐらい前に、昭和時代の名作詞家湯川れい子を驚嘆させた、アーティスト、歌代ヒカルの「オートマティック」の歌詞は鮮烈だった。

■ 七回目のベルで
  受話器を取った君
  名前を言わなくても
  声ですぐわかってくれる

ここは電話で、直接の「声」で歌い始める。
でも、後半こうくる。湯川が驚嘆した部分。

■ It's automatic
  アクセスしてみると
  映るcomputer screenの中
  チカチカしてる文字
  手を当ててみると
  I feel so warm

「チカチカしてる文字」ネット上の文字、無機質なフォント文字に「手を当てて」という人間の動作。
つくづく言葉って、人間にとって、その人を表してるんだって思うんだな。


・・ちょっと今夜は理屈っぽいかな(笑)

寒くなったな。
体を冷やすのはよくないから、焼酎のお湯割りでも飲むか。

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