#45 「なんかこの歌いいよな」ってなくなっちゃうのかな
今日は、ぐっと気温が上がったね。
桜はかなり咲いただろう。
うかうかしてるとあっという間に見ごろは終わっちゃう。
オレはレースが近いから、昨日30kmのトレーニングしてきたよ。
まあ、ヘロヘロだったな。
・・
三好達治で「甃(いし)のうへ」って詩がある。
■ 甃のうへ 三好達治
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音(あしおと)空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳(かげ)りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍(いらか)みどりにうるほひ
廂々(ひさしびさし)に
風鐸(ふうたく)のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
甍は瓦屋根のこと。
似た字だけど「甃(いし)」って、石だたみのこと。
「をみなご」は若い女性。
桜の花びらが流れるように散る中で、おしゃべりしながら歩いている。
彼女たちの履物の足音も美しく響いている。
「瞳をあげて」、そんな桜の散る空を見上げ、そして目線は、足元の石畳に移る。
最後の二行。
「ひとりなる/わが身の影をあゆまする甃のうへ」
歩いている自分の影法師。
桜の散る中で、石畳が自分を歩かせているって言うんだ。
たった1回の目線の上下を使った詩なんだな。
まあ、男一人っていう、さびしいテーマはほっとこう(笑)
あ、言っとくがな、男50も過ぎれば、男性機能もがっくり落ちるから、男一人なんて当たり前の光景なんよ。
なんのために生きてるか、まったくわからない!(笑)
気が付くと、思いっきり屁をこいてたりして、生物として、とりあえず生きてるだけ(爆笑)
そういうオレからすると、こういう詩は、在りし日の感受性を思い出すんだよな(笑)
・・
この詩はさ、声に出して読んでみるといいよ。
島崎藤村とかは明治の詩人だけど、伝統的な五音七音でリズムを付けたが、それから自由になりつつ、生真面目にリズムを付けている。
■ あはれ花びらながれ
3音「あはれ」、4音「花びら」、3音「流れ」と、小さなリズムの山を作り、
■ をみなごに花びらながれ
5音「をみなごに」とちょっと長めに音を取って、また4音、3音と山から下りる流れを作る。
■ をみなごしめやかに語らひあゆみ
4音「をみなご」5音で「しめやかに」、リズムの山を登り、4音「語らひ」、そして「あゆみ」の3音で、下りを作る。
・・こんなふうに、音数の変化で、読み声の登り、下りを作るんだな。
あとは、行の終わりを見ると、「ながれ」「ながれ」「あゆみ」「ながれ」と連用形を続けて、その言葉の感じが、ひっきりなしに桜が散る様子に同期するようにしている。
そんな桜の様子を描写しながら、「をみなご」へのドキドキ感を演出してるわけさ。
・・
あるある探検隊ってあったよな。
レギュラーだったかな(笑)
■ かんでた スルメを みせられる
■ ばばあの ハートに 火をつける
まあ、前後の話がないとわけわかんないけどさ(笑)
音数としては、4・4・5で作られてる。
日本語って、「2音」と「3音」が基本でそこから4音か、5音の言葉が増えていってるんだよ。
逆に「地」「血」みたいな1音は、「血が/出た」の「血が」のように2音にしないと落ち着かない言葉なんだ。
そういう面倒な日本語を、流れるようなフレーズにすることに明治、大正の詩人は頭をひねってたわけさ。
でも、俳句や短歌を考えれば分かるけど、逆に、音数に縛りがあるから、頭を使う分、知的だともいえるんだよ。
自然と、2や3の倍数でものを考えていたりする。
・・
4月、新しい年度で、くたびれてるか(笑)
ま、酒飲んで、さくっと朝起きるんだな。
夜にあれこれ考えたって時間の無駄だよ。
好きなことしてればいい。
起きればいやでもやるべきことするんだから(笑)
ファンモンの「モーニングショット」なんか、気分が上がっていいよな。
■ Good mornin
目覚ましのアラームがうっとおしい
やるやらない 選択肢は何十通り
それでも順調に
朝日と街並みが交わりだす
新たな旅立ちが始まります
新品のスニーカー
気分爽快フリーダム
歌詞っていうのは、メロディーと一緒に成り立つもの。
で、この歌詞をカラオケで歌おうと練習すると結構ムズイよな(笑)
これを2音、3音で説明してもいいけど、面倒だからやめとく。
大事なことは、声に出してみることだ。
え? それは、ボケ防止の練習だって?(笑)
・・
そうそう、どうだ、若い奴はカラオケするか?
どうせ、最近は、歌を歌って相手に聴かせるなんて場面ないだろうな。
でもさ、そこを、若い奴には原点回帰してほしいって、オジサン思うんだ。
「なんかこの歌いいよな」
って、共感し合うようなのって、もう日本人にはなくなっちゃったのかな。
涙流しながら歌って、聴いてってないのかな。
飲みながら、いろいろファンモン聴いてみよっか。
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