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超! ホームシック! というお話

始めに



「こんな土地とはおさらばだぜ!」くらいの勢いで引っ越してきたというのに、最近激烈なホームシックに襲われている。

 よくよく心の中を覗いてみれば、そりゃあ嫌なこともあったが(というより他人にご迷惑をかけたことの方が多かったが……)、自分の心の中に占める感情の割合として、地元への憎しみは少なかったようだ。

 これは良いことである、何かを憎んでも人生無駄に浪費していくばかりだものね。(これはあくまで私の持論であって、今まさに読んでいるあなたに押し付けるものではない)

 というわけで自分は地元を離れてようやく、自分の心を見つめ直すことができたのだ。

 耳に聞こえが良いように書けば、これも自分にとって必要な時間だったのかもしれない。

 というわけで、自分は地元に小旅行に行きたいのだ。んだが、このご時世、それを大々的に行うのもはばかられる。

 なので、地元に帰ってやりたいことを、つらつらとランキング形式で書いてみようかな。

 まずは第5位から。


 5位 

 地元を歩く。

 なんてことのない通りをぶらり、歩きたい。昔植樹した木の育ち具合も気になる。

 お寺が隣接する通りを歩いたり、本屋の前を冷やかしたいし、今は無くなってしまったお店の前を歩いて「あそこの親子丼、美味かったな。あの店のカレーうどん、信じられないほど海老天デカかったな。あのケーキ屋の、ラム酒たっぷりのソフトクリームを祭りの帰りに買ってもらうのが何よりも楽しみだったな」とか、そんなことを思い出しながら歩きたい。


 4位

 川に行く。

 地元にはバカでかくめちゃ綺麗な清流があり、久しぶりにそこの河原を歩きたい。

 よく晴れた日に、川原の石の上に寝そべると、日で石が温められていてポカポカとしていてとても気持ちがいいのだ。昔、飼い犬と散歩に来たのも地元の川だった。一緒に風になったかのように駆け回ったものだ。河原に生えた新緑のクローバーの色は未だに脳裏で鮮やかだが、もう一度それを見返したい。


 3位

 桜を見る。

 華やかな花見をしたいわけではないが、ひらひらと落ちる桜の花びらを見ながら、地元の名物の田楽でもかじりたい。それに、桜特有のあの、花と青い香りを胸いっぱいに吸い込むのも乙だろうなと思う。

 あと、桜の花って結構鳥の餌になってる。蜜でも吸っているのだろうか、鳥はよくつついては花を落としている。そういうのをぼうっと眺めるのも素敵だ。


 2位

 地元の飯を食べたい。

 食いしん坊だからか、最近は地元の飯屋のことばかり思い出している。

 家の近くに洋食屋があって、そこの定食がすこぶる美味しかったことも思い出している。

 魚のソテーは皮目がパリパリで香ばしく、ポークソテーもしっとりして脂身が甘やかなのだ。お手性のフレンチドレッシングも酸味が柔らかくて美味しかった。ご主人にもかわいがってもらっていた。

 馴染みの定食屋にも行きたい。そこのお店のカツ丼はちょっと変わっていて、カツに卵と玉ねぎが後乗せなのだ。だからカツはサクサク。お店の人も優しいし思い出深い店だ。

 蕎麦屋も行きたい。

 食べたいもの、たくさんあるなぁ……。


 1位

 地元の人に会いたい。

 小さい頃からそこに住んでいたので、知り合いはたくさんいる。

 そういった方々に出会いたい。会って、何があったのか話をして、今は何をしているのかとかを打ち明けたい。

 なんだかんだどうしても、顔を合わせてお話したいことがたくさんあるのだ。


 というわけで、地元に帰ってやりたいことベスト5でした。

 だが、繰り返しになるがこのご時世、大っぴらに県を跨いでの移動は難しい。

 私自身の欲望のためにも、皆のためにも、早く収まってもらいたいものである、流行り病。

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