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エッセイ【出会い】
猫が欲しい!!!
ボールを投げて取って打つ!そして走る。
走る!鈍足の彼女(娘)にとって、苦痛以外の何物でもない修行のような日々が始まるとも知らず、入部を決めてしまったソフトボール部。
私からのとどめの一言。
3年間ベンチを温める覚悟があるなら、部活で必要な道具一式を、直ぐそろえてあげるけどどうする?
辞めるなら今よ!本入部したら3年間、泣こうが喚こうが辞めさせないからね!
ソフトボールでどうしても走るのが嫌な時は、ポジションはキャッチャー、
バッターボックスではホームラン、だとあなたでも大丈夫よ、きっと!
今思い出しても、何と酷い言いざま……。
しかし、彼女はやり切った!チームは市内でも敵なしに育ち、約束通りポジションはキャッチャー、バッティングは影の4番とまで言われた。
走る事は最後まで改善されず、スライディングも出来ないソフトボール選手の中学3年間。
引退して後輩の練習台として部活に参加するのんびりした日々。
試合に明け暮れた毎日から解放されて、親子共々○○ロス状態の中で娘が口にしだした「猫欲しい!」
お金を出しては飼わないよ~いつか飼うことがあったとしたら保護猫でね!
ねぇ~いつ飼えるの?
縁があったらね~とはぐらかしていた。
出会いは突然!どこかで聞いたことのある歌詞のような、ホントに突然出会いはやって来た。
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出会った猫は、今では我が家の女王様になった。
名をルカと付けた7年前の夏。
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7年前のある日、随分と無沙汰をしていた友人から電話が……。
いつもならばメールですます相手なのだけれど、珍しく電話がかかってきた。
『久しぶり~げんきだった?』と話している最中に『ねぇあなた猫好きだったわよね⁈』今からメール送るから(動画)見て!とまくし立ててガチャリ!
送られてきたメールには、見た私が虜になる事を承知で送った友人の勝利となる、子猫の動画💖
勿論、罠にまんまとハマった私は、いそいそと友人宅へ。
そして、さらうように子猫を連れ帰りました。
いつものように部活から帰ってきた娘に、あなたが喜ぶ事があるのよ!
チビ〜チビ〜と呼びながら部屋へ戻る私を怪訝な顔で見ながら
何よ!っと言った娘の足元に、ニャン!
みた事ないような笑顔で『わ〜〜可愛い!』と、子猫は大声に驚きすっ飛んで隠れちゃいました。
猫を飼うことに反対の家人一名のために、作戦を立てようと画策していたら、野生の感というやつか子猫の方から反対している家人の元へ。
何の前触れもなく、ちょこんと膝の上に!そしてそのまま丸くなって寝てしまいました。
勿論、大歓迎とはいかないまでも、反対していた家人はとろけました。
生後3ヶ月にして魔性の女?を感じてしまいましたよ(猫だからか?)
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男性を手玉に取るような魔性の女性を、猫に似ているなどや、妻や恋人のいる男性に言いよることを、泥棒猫などとも言いますよね⁉︎
子猫ながら、誰に言い寄れば身の置き場所を、ゲットできるかわかってるのでしょう。生きる知恵なのかもしれないです。
友人宅の敷地に現れてから4〜5日だったようですが、不思議ととても綺麗で痩せてもなく飢えてる様子もなかったのです。
連れてきて直ぐに獣医さんに診てもらい、生後3ヶ月ぐらいでお腹に虫もいなく、ノミなどもついていないから外に出たのはごく最近のようだねと。
7年経った今でも、家人はあまり可愛がりませんが、本当は可愛いのだと思います。
酔っ払うと撫でようとして、『猫撫で声』で近づいていくけれど、ルカにはスルーされてます。
日頃の何とやらですね。
我が家の子(猫)になって7年、早いものです。
人間の時の流れ方と猫の時な流れ方には違いがあり、よって寿命も随分と違う。
人間の1年が猫の4年近くに匹敵するそうです。それでも同じように年をとって、共におばあちゃんになろうね!って約束を強いてしまいます。
猫を飼いたい、と漠然と思っていたけれど急に我が家の来ることになった子猫。
子猫の可愛さと危うさにデレデレ、ドキドキの日々を過ごしていて写真を撮ることもあまり考えていなかったので、子猫時代の写真がほぼないのが悔やまれます。
今私の携帯の写真ホルダーはルカばかり。
Instagramでは親ばか(猫)を公言するほど。
ルカの居場所を常に確かめるというほどなのです。マッタク!夜も日も空けないほどとはこのことかもしれません。
文筆業の方々は猫と暮らしていることが多いようですが、どんなに邪魔をされても、締め切りで切羽詰まっていても猫との時間を最優先にしていらっしゃるようです。
猫には私たちが逆らえない術を、何か持ち合わせているのかもしれませんね。
最近では『猫又』(猫の妖怪)になってでもいつまでも私のそばにいてね!なんてルカに話しています。
よぼよぼになっても一緒に暮らす。
何だか年齢を重ねるのも楽しみになってきました。
7年前の出会い。本当に良かった!
ルカと出会わせてくれた友人に感謝です。
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