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怒りが染みついている
タイトルは、今日の朝ドラ『虎に翼』の桂場さんのひとこと。
なんていう洞察力でしょう。
このあとの、穂高先生とのやりとり…息をのむとはまさにこのこと。
寅子さんは、ただ、慰め、励ましてほしかった。弱音を吐いて、「君なら出来る」と言ってほしかった。(たぶん)
それが、あんな結果になってしまった。辛い。
先生と寅子のやりとりを文字にしたのですが、あまりに辛くて消してしまいました。穂高先生が言うこともわかる。
(どうしても言いたいところだけ残します)
「君の犠牲は決して無駄にはならない」と穂高先生。
「私たちに、世の中を変える力があると信じてくれたのではなかったのか」と問う寅子さんに対し、穂高先生は「君の次の世代がきっと活躍を…」と答えます。
これを寅子さんは受け止められず、「今、私の話をしているのです」と、怒りを露にしました。
湧いてくるのは、怒り・哀しみ・悔しさ…。
穂高先生との一連のやり取り… 聡明な寅子さんのこと。怒りが染みつく前ならば、きっと他の言い方で反論したのではないか。
次の世代が… という点に関しては、私自身も格別な思いがあり、それもあっての「リレイヤー」(屋号)です。ですが… ですが、寅子に我が身を置き換えると、到底受け容れられないだろうと思うのです。
夜、優三さんと飴をわけあう寅子。
「この人とただ穏やかに毎日を過ごせたらどんなに良いか…」(ナレーション)
ここで号泣しましたよ。そう。怒りなんぞ忘れて、怒りを感じないくらい遠いところで、ただただ穏やかに過ごせたらどんなに良いか。
寅子、「なんで私だけ…」(ナレーション)
さらにそのあと、轟の出征の知らせ。(もう涙止まらず)
さっきまで、「なんで私だけ」がぐるぐるしていた寅子も、その言葉を思わずのみこんでしまったのではないか。
あらゆる怒りを、想いを、のみこませてしまう。それが戦争というものなのでしょう。
寅子の最大の怒りは、きっとそこにある。
ドラマの冒頭、出征する兄を横目に、寅子さん明らかに怒ってましたしね。
「なぜなのだ? なんなんだ?」そんな心の声が聴こえてきましたよね。
そんな怒りが染みついている中、同じく出征する轟が「じゃあ、また会おう」と言って立ち去る際、「また必ず!」と大きく声をかけた寅子さん。
轟の持つ前向きさ、力強さに救われる思いがしたのは、私だけでなく寅子さんもだろうか?
昨日も思ったし、今日はよねさん自身の言葉で語られたけれど、寅子にはよねさんがいる、ひとりじゃない。寅子、ひとりじゃない!
寅子、よねさんの支えに気付くことができるだろうか… 気付いたとして、どう受け止めるのか。できることならば、生きる力にしてもらいたい。
穂高先生が事務所に訪ねてきました。寅子がこれ以上傷つかずに済むことを願うばかり。
さて。ドラマのお話はここまで。
怒りが染みついた顔をしているのではないか?
たまには自分にそう問いかけて、心の持ち方・在り方を見直したいと思います。