またまた花岡悟に泣かされる
花岡さんの再登場に泣き、花岡さんの訃報に泣いた先週。
花岡さんは、最後の最後まで寅子さんを励まし、勇気を与え、死んでしまった。
寅子さんの傍には、いつも優三さんの魂がやさしく寄り添っていて、寅子さんを支えています。
でも、花岡さんと再会できた寅子さんは嬉しそうでした。過去の自分をよく知る、共に励んできた仲間から、「自分は自分」だと認めてもらえた寅子さん。
数年前は、「どうして自分だけ…」という孤独感が自分を追い詰めて、弁護士の道を去ることになったけれど、「自分は一人じゃなかったんだ」と改めて気づくことができただろうし、その気づきを受け入れられる自身の成長を感じることができたのかもしれません。(たとえ無意識だとしても)
いずれにしても、花岡さんとの再会が、寅子さんの勇気の一滴になったことは間違いありません。
だからこそ、彼が死んでしまったことが、ただただ悲しいのです。
ところかわって。
轟さんが帰ってきて、よねさんが、ちゃんと轟さんを泣かせてくれました。よねさん、ありがとう…。
轟さんにとって花岡さんは、戦地から生きて帰りたいと思えるほどの人でした。
自分よりも大切に思える、唯一無二の相手だったのかもしれません。
よねさんと弁護士事務所を立ち上げる約束をしたあと、花岡さんが座っていたベンチを振り返った轟さん。
「轟も頑張れよ」という花岡さんの声に、応える覚悟を感じました。
轟さんの中で、そして司法に携わる多くの人々の中で、花岡さんは永遠に生き続けることでしょう。
花岡さんが崖から落ちて、轟に怒鳴られ、梅子さんの言葉に涙を流したあのときから、私はずっと花岡さんに泣かされています。
判事になったと瞳をキラキラさせて寅子さんに報告の電話をする時も、断腸の想いで奈津子さんと結婚した時も。
肉体はこの世からいなくなっても、その純粋さと不器用さで、常に人の心を動かし続ける花岡さんを、私は好きです。
父親である自分、夫である自分、生を望む生物としての自分…
清廉潔白であること、ありたい自分でいること、本当の自分でいること…
真面目で不器用すぎる彼は、きっと考えすぎるくらいに考え、悩み、死に繋がる生き方すらも、自分で選びとったのだろうと思います。
轟同様、彼の生き方を否定することは絶対に出来ない。
ですが… 自分が奈津子さんだったとしたら… と考えると。
職業人としての自分よりも、信念よりも、家族を守ってほしい。そのために、職を辞してでも生きてほしいと思うだろうなぁと感じました。
「自分の命と引き換えにしてでも守りたいものなんて、こども以外にいますか?」
ですが、彼は死んでしまった。
せめて、彼を愛し、支えた奈津子さんと二人のお子さんが、そんな彼を誇りに思い、彼を亡くした後も幸せに生きていることを切に願います。
おしまい:今日のよねさんの、轟さんへの「黙れ」のひとこと。あの笑顔、最高でした。あんなに愛のある「黙れ」って聞いたことがない!