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田舎のおばちゃんがカウンセリングと出逢う。(カウンセラーとの遭遇)

もう、かれこれ10年以上前、10年一昔と言うけど、確かに若かったね(^^)

まだ子供達が社会人としてホヤホヤで、必死に社会に馴染もうとしている時、私は偶然カウンセリングと出逢う。世の中は就職氷河期の第二波の真っ只中。

3人目の子供がアメリカの大学に旅立って少したった頃、ホームシックになってしまった。学校説明会の時、話しには聞いていたけど、まさか自分の子は大丈夫だろうと安易に構えていた。なぜそう感じたのか?子供は私に心配かけまいと希望だけを伝えていたのだろうと思う、親の期待に必死に応えていたんだろうと思う。その事が後に相当ガツンとこたえる。

娘が入学した大学は、日本の大学がハワイに姉妹校として大学を申請し、学生を募集していた。たまたま娘は幼い頃から英語を習い、英語には慣れ親しんだ環境にいたため、何となく日本の大学を選択せず、願書をその大学に出してすんなり入学することを決めた。その大学にはスクールカウンセラーや、キャリアカウンセラーがいて、心理的サポートは充実していると勝手に安堵していた。

その学校が突然、廃校になる。アメリカへの審査が通らなかった。学生達は各々の進路を決めなければならない、入学して1年経たずに学校が廃校という、お粗末な結果になってしまう。そんな中、娘は自分の進路を決められず悩んでいた。

ある日、娘からスカイプで「次に行く大学が決められない…学校はサポートしてくれるけど、期限が決められてて数ヶ月で決めなければならない。日本の大学に戻るのは嫌だし、本土の(アメリカ)の大学で何を学びたいのか、まだ決められない。眠れないし、食欲もない。」と悩みを伝えられた。直接会って話すこともできず、どんな環境になっているのかもわからず、サポートの具体的なことも…まだ18歳で高校を卒業したばかりの子供が、こんな大きな不安を抱え、海外で一人で悩みと戦っていることに、親としてどうすることもできずイライラしていた。そんな時また次の試練が舞い込んでくる。

なんと!サポート体制として参加している教師が娘のことを気に入って、付き合って欲しいと娘に言い寄ってきたらしい、つまりデートの誘いやら、飲みに行こうだの(アメリカでは20歳まで飲酒禁止)、驚きの展開が起こる。娘からすると教師に嫌われたくない、断ったら今後の進路に影響が出るんじゃないか、無視されるんじゃないか、と恐れるわけで、今でいうセクハラ、パワハラまがいのことをされていた。それも娘からの告白にびっくりするやら、腹が立つやらの気持ちは忘れられない。私のこの怒りが結局、学長まで届いてしまう。

翌日、スクールカウンセラーに電話していた。本当だったら娘にカウンセリングに行ってほしくて、何度も説得しようとしたが、娘の中には「カウンセリングを受ける人は精神的におかしくなってる人、私は違う!」という頑固なプライドがあった。何度も説得しようとしたができず、私の方からカウンセラーさんに予約していた。その大学にいるカウンセラーさんは日本人だったので、英語できなくてもOKだった(笑)

初めての電話相談になった。今の娘の状態、私は把握している事を説明し、その頃は夜中の2時3時に街に出て、気分を変えたいと夜中ふらふらしていた。そんな状態の娘を放っておけないと相談したわけで、また、けしからん教師のことも娘の新たな悩みになっていることも開かした。最後にカウンセラーが言った言葉「あなたはどうなさりたいのですか?」

「どうもこうもない、娘が何の弊害もなく自分の気持ちに正直になり、自分の進む道を決めてほしい。あのけしからん教師をまず何とかして欲しい」と伝えていた。

「教師のことは、学校としても責任があります。学長と相談して事実を確認し、対応させていただきます。しかし、娘さんのことはご本人が私のところへ来ていただかないことには、私からはなにもできません。お母さんの方から娘さんにこちらに来ていただくように説得していただけないでしょうか?」とのことだった。

どうにもならないジレンマと、少しの光が見えた気がしたが、これぐらいでは満足できるはずもなく、娘を説得しようとした。娘は一度だけカウンセラーのところを訪ねたが、留守で入り口に予約カードがあるのを見たけど、それを書くと誰かに見られるのではないかという不安があったと言っていた。(こういう気持ちはカウンセラーになった今、クライエントが持つ不安材料の一つなんだと思う)結局カウンセリングは受けず、キャリアカウンセラーへ行った。キャリアだと、その時は学生のほとんどが受けていて、行きやすかったらしい。でも、その話を聴いた時、少しだけ安心した。前に向こうと動き始めていると思えたからだ。キャリアカウンセラーと何度も話し合い、愚痴も聴いてもらいながら、娘は進路を決め始めていた。(つづく)


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髙橋玲子
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