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東中島のユキ子~ユキ子と般若の面~

誰しもひとつは、なぜかずっと手元に残り続けるものがあるのではないでしょうか。レコードプレーヤーだったり鏡だったり、なんてことないオモチャだったり、大事にするわけでもなく、かといって捨てる程でもないようなそんな品物。

今回は、私の母・ユキ子の50年来ついて回っているモノについてお話します。


ユキ子が言うには、そのモノがいつから家にあったのか、どうした経緯でユキ子の持ち物になったのかはまるで覚えていないということです。ただ覚えているのは、東中島のあの家で高校生だった時、勉強机の引き出しの中からユキ子をじっと見ていたということです。

それは般若の面です。2cmくらいの根付のような工芸品です。

私も、般若が引き出しの中に入っているのを見たことがあります。今の家で、みんなが使う引き出しの中にコロンと入っていました。ずっとありましたし、今でもあります。

度重なる引っ越しや結婚などの大きなライフステージの変化があってもなおついて回っているそうです。かれこれ50年以上ユキ子の傍にあるのだとか。

引き出しをあける度に見える般若を、私たち兄妹は気味悪く思って触りもしませんでした。話題にもしないくらい自然にある、奇妙な存在です。

ユキ子に写真を自撮りしてもらいましたので、ご覧ください。




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ユキ子の話は続きます。



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