service design-茨城地方創生プロジェクト
プロジェクト概要
茨城県が主催する地方活性化プロジェクト-if design
日本を、茨城を、地域を良くしようと想いを持った様々な地元企業の
リアルな課題や茨城の魅力を、フィールドワークを通して学び、
異なるバックグラウンドを持つ仲間たちと共に課題解決の企画を行います。
約3ヶ月間、茨城と東京で、「もし」自分たちだったら何をやるか、
何ができるかを、その後の実践までを見据えて、企画・デザインしていきます。
期間:2020年9月ー12月3か月間
チーム体制
パートナ企業の概要
パートナー企業:かすみがうら未来づくりカンパニー
日本で2番目の大きさを誇る霞ヶ浦と、その豊かな流域で育てられる農作物、平坦な地形を活かしたサイクリングコースなどの豊富な地域資源を活かした体験型観光の推進役として2016年に設立。
サイクリングを通して地域の魅力的な資源に接することができる体験型サイクリング「ライドクエスト」の開催、地産地消のヘルシーなメニューが楽しめるレストラン「かすみキッチン」の運営、市内の農家等と連携し「商品開発やデザイン」、それらの商品が売られる「かすみマルシェ」の運営を行っています。
パートナー企業が示した課題
1、霞ヶ浦新たな価値の発見・開発
2、東京1〜2時間競合との差別化
テーマ:県外からも人が訪れる霞ヶ浦ならではの最高の体験をつくる
課題ヒアリングと現地フィールドワーク
チームで9月(日帰り)と10月(2泊2日)2回ほどフィールドワークを実施し、かすみがうら市観光課の方、パートナー企業の代表、地元の農家、歴史博物館の館長、ゲストハウスの女将など地域のステークホルダーに課題についてヒアリング。
ソトモノ目線で現地の観光コンテンツを体験しました。
課題整理
ヒアリングと体験を経て、地域の課題を整理しました。
1、誘致したい観光客のペルソナが曖昧。どんな人にきて欲しいかのターゲット設定がされていない。
2、季節性の強いコンテンツ「サイクリング」「果樹園」しかないため、観光の平準化がされていない。
3、一括性の観光コンテンツで、リピター客が少ない。サイクリングの場合、練習のために訪れる人が多く、お土産を買ったり、飲食したりすることはあまりない。
ツリーズムの再定義
チームでまずツリーズムを再定義しました。
2020年は日常生活を飛び出して特別な体験を求める消費型のツーリズムは、コロナによって忌避・自粛されるものとなりました。
一方で、人々はマイクロツーリズムに代表されるような新しいツーリズムに可能性を見つけています。
これまで日常とされてきた身近な場所や、大事な人、自分のやりたいことを日常の中で大事にしていくツーリズムが、これからはメインストリームとなっていきます。
コロナを経て、これからのツーリズムには特定の場所と回数を重ねて深く関わる体験が求められていきます。
自分が大切にしたい場所や人に向かって動いていきます。
今後のツリーズムは「帰省」
こうしたコロナによったツーリズムの転換を踏まえ、私たちはツーリズムを再定義し、「帰省」となぞらえました。「帰省」をもう少し掘り下げてみます。
帰省の本当の良さは、今までの消費型のツーリズムにない、手間暇をかけた自己貢献によって成立します。
お盆や正月の帰省の前は、実家までの距離を案じて面倒な気持ちになったり、祖父母から毎年同じ話を聞かされたりと、あまり気乗りのしないこともありますが、
実際に帰ってみると、久しぶりに会う親戚に挨拶をしたり、親の作る味に懐かしさを感じたり、普段受けられないおせっかいに意外な嬉しさを感じることもあります。
そして帰りの新幹線では、親が健康でよかった、また顔を見にこよう、と当初は想定していなかった不思議な気持ちになっていることに気づき、自分の変化を実感します。
まとめると、帰省という体験に自分が手間ひまをかけることで、自分のよりどころを実感するのです。
かすみがうらの実家としての可能性
前段のツーリズムの転換をうけて、フィールドワークで感じたかすみがうらの魅力(かすみがうらの実家としての可能性)をまとめました。
私たちの提案
コンセプト
自分の実家は自分でつくるーめんどくさい実家
世の中、何かと時短やオンラインと、確かに便利にはなったかもしれない。
でも、何気ない店員さんとの会話だったり、近所との付き合いがなくなって
薄くなってしまった人とのつながりに、何だか心の豊かさは反対に失われてしまった気がする。
そんな時代に、あえて時間や手間暇をかける。
そうすることでしか得られない愛着やつながりがあると思う。
そんな思い入れやつながりがある場所を、自分の居場所にしていきませんか。
かすみがうらは、日本一実家にしがいがある街
そんな居場所として、かすみがうらは最適です。
手間暇をかけて愛着が湧いてくる余地がいっぱいあるからです。
理由は以下の4つ。
1、最寄りの駅からは交通の便がよろしいとは言えず、移動には車が必須。
2、近くの商店やレストランの店員さんは愛想がとてもいいとは言い難い。しかし、通い詰めや根気強く話しかけるとおまけやおせっかいというサービスが得られることもあります。
3、豪邸の空き家はいっぱいある、けど自分たちで物件探しをしなきゃいけない。探しがいが十二分!
4、リノベーションも自分たちで。なので、修繕に必要な業者さんたちとのツテ探しからする必要がある。でも、大体地域内は知り合いの知り合いなのでそこまで心配しなくて大丈夫!
ターゲット
私たちの提案で、どのように課題解決に繋がるかを改めて整理しました。
アクションプラン
step1「実家部」というコミュニティを作って、ターゲットに入部させます。
step2 かすみがうらで「みらい実家づくりキャンプ」を行います。
step3 みんなで1からかすみがうらで実家を作リます。
ステークホルダー関係図
あとがき
プロジェクトのプレゼン動画はこちらです(1:44:05から)。
3か月間のプロジェクトを経て、いよいよプロジェクトメンバーで実家づくりを始動します。