紙の時刻表の楽しさ
JTB時刻表を購入しました。B5版/約1000頁/1183円。
現代では単に時刻表というとWEBサイトや乗換検索アプリのものが優勢になっているので、「紙の」とつけたほうがよさそう。と気づいてしまうほど紙の時刻表はマイナーになっているようです。一説によると最高で月200万部を超えていた発行部数も現在は10万部をきっているそうです。いまどき重くてかさばる紙の時刻表なんて何のために必要になるのか、という声も聞こえてきそうです。
僕が買ったのはフリーきっぷで旅行する準備としてなので、正直フリーきっぷを使い倒すには利便性でも紙の時刻表の方が優れている点があると思います。
しかし、調べる上での利便抜きでも、やっぱり楽しい読み物でした for me.
■紙の時刻表と乗換アプリの比較(一般論)
まず一般論として利用する上での紙と乗換アプリなどの電子媒体の比較をすると代表的な特徴は以下のようなものでしょう。なおメリットの裏返しがほぼデメリットになると言って良さそうなのでそれぞれメリットを挙げています。
(紙のメリット)
・一覧性
・ネット環境や電源が不要
・お得な情報が掲載されている(割引きっぶなど)
(アプリのメリット)
・最適なルートを自動で選んでくれる(時間・値段等でソートも可)
・軽い。かさばらない。無料で使える
・間違えない
一覧性は、広範な路線図や多数の運行情報を一度に見れて比較検討も容易なことですが、時刻表に限らず紙とネット媒体の比較でよく出てくるものだと思います。
フリーきっぷを利用する際には一覧性がルート選択の利便性に大きくかかわってくるので紙の方が使いやすい面がありますが、目的地と目的時間が先にあって、移動する手段として検索するには検索アプリの方が手っ取り早いでしょう。
次に僕が個人的に感じる読む楽しさのこと。
まず僕は鉄道が好きか/好きとか嫌いとかそういう対象ではないか といえば好きです。ただ鉄道マニアかと言うとそこまででもなく。
時刻表も本物のファンには趣味の雑誌を買う感覚で毎月かかさず購入する人もいますが僕はそこまででもなく旅行ありきではあります。ちなみに紙の時刻表自体は年1回くらいは買ってますがJTBのB5版ずっしりサイズは結構久しぶりでコンパス版が多いです。
ですからガチマニアじゃないと読んでも意味がないわけではないです。
■視覚情報から探す楽しみ
紙の時刻表を使う場合、全国の路線の索引地図から利用しようとする路線を選んで各路線の時刻表ページに飛んでいってその路線の列車の中からどれに乗るか決める。という過程を経るわけですが、この流れが単純に楽しい。
(索引地図から時刻表へ)
ただの作業じゃないかと感じられるかもしれませんが、楽しいですよ。文字情報ではなく文字情報以外の視覚情報から選ぶ作業は脳にとって気持ちいいのではないかな。
少なくとも、文字情報よりも文字情報以外の視覚情報を扱うほうが脳にとっては負担が少ないと言われています。
ただし列車に乗る体験自体が好きなので、好きなことをストレスなく選んでいるのがいいのかもしれない。
■時間と空間を感じる
索引地図でも時刻表でも、その空間的広がりやその土地土地の様子、また時刻表のこの列車に乗ったときの時間的経過、太陽の様子や疲労感などのイメージがなんとなく浮かんでくるのですね。
過去に乗った路線の索引地図や時刻表をみると過去の体験が思い起こされたりもします。
こういうことはアプリを利用してもあまりありません。それは紙の場合は一覧性から一気に様々な情報が入り込んできて記憶を呼び起こしやすいことや、イメージ記憶として残りやすいということなのかも知れない。
旅行情報誌と共通する楽しさなのでは?
以上2点の楽しさは旅行情報誌と共通しているように感じています。
具体的なプランを決めるために旅行情報誌を見て行き先を選ぶ・探す際には文章の解説と一緒に、時には文章以上に写真の様子を見て考えるでしょう。楽しいですね。それと似ている。
また旅行情報誌で観光地の様子を見て時間と空間を感じたり、過去に行ったことのある場所ならそのときの様子を思い出して楽しむこともあるでしょう。それも似ている。
結論:
紙の時刻表は旅行雑誌のようなものなので、旅行前後に読んでも旅行中に読んでも楽しい。