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【小説】雄猫ぶーちょの生活 18 予期せぬ出来事
ぶーちょがピンクの豚のぬいぐるみに異常な関心を示すことが分かった。
夜、ぶーちょの就寝時間に、ピンクの豚を猫じゃらしの先にぶら下げて振り回せば、ほとんどすぐに天袋から地上に誘導できる。
でも、ピンクの豚の効力が利かなくなったときはどうすればいいのだろう。
そこで、ホームセンターにキャットフードを買いに行ったついでに、新しい猫じゃらしを買った。古い猫じゃらしの先につけられた色とりどりの羽はボロボロになり、大方ぶーちょに嚙みちぎられていたからだ。
夜、就寝時間になると、押入れの天袋にいるぶーちょに、ためしに新しい猫じゃらしを振ってみた。すると、五分もしないうちに、ぶーちょは地上に降りてきた。
さすがだ。
深夜、トイレに行くために、廊下に通じるドアを開けると、ぶーちょがどこからともなく現れて、するりと居間に入ってしまった。
あわててぶーちょを捕まえたが、今度は縞尾が廊下に出てしまった。縞尾を居間に戻そうとしている間に、ぶーちょは天袋に上ってしまった。
新しい猫じゃらしを探したが、どこにも見当たらない。ぶーちょがどこかに隠してしまったのだ。
仕方がないので、古い猫じゃらしにピンクの豚を付けて振ってみたが、効果がない。そこで裁縫箱をひっくり探し、ピンクのリボンを見つけたので、付けて振ってみた。
なぜかわからないが、ぶーちょはピンクのリボンにも食いついた。私の真夜中の三十分の奮闘が報われた。
ぶーちょは単に新しいおもちゃが好きなのか、それともピンクという色が好きなのだろうか。わからないことが増えていく。