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【小説】仔猫ぶーちょの生活-13 グルメな仔猫

ぶーちょは、実はとんでもないグルメ猫である。

ロイヤルカナンは、猫たちの間でおいしいと定評のあるキャットフードだ。カナダからの輸入品である。高価である。ぶーちょは、ドライフードを食べられるようになってから、獣医さんおすすめのロイヤルカナン仔猫用フードを食べていた。結構な値段だった。それがなくなったので、普通に猫が食べる国内産フードに切り替えた。これも食いつきはよかった。

ぶーちょの器の横に置いてある縞尾のドライフードは、ロイヤルカナンの軽い腎臓病用のものだ。縞尾はまだ腎臓病にはなっていないが、これを予防するために食べさせている。体質上、猫は腎臓病で死ぬことが多いからだ。ところが、このフードはとんでもなく高い(飼い主にとっては)、だがおいしい。これまでの猫たちの間でも評判は上々だった。

よく観察していると、ぶーちょは縞尾のロイヤルカナンをよく食べている。自分の普通フードをクンクン嗅ぎ、すっと横に顔をずらして縞尾のロイヤルカナンを食べる。五回のうち四回はそうしている。仔猫が腎臓病予防の大人猫用ドライフードを食べるのは、どうなのか。かなり疑問は残るが、だめだと言うと余計意地になるので、好きなようにさせている。

一方縞尾は特別食に飽きたのか、ぶーちょの普通食を盗み食いしている。一体どうなっているのか。

縞尾は、キャットフードがあまり好きではない。できれば人間の食べる魚がいいと思っている。焼いた塩鮭や、まぐろの刺身の端っこだとかが大好きだ。

縞尾につられて、ぶーちょも最近はスーパーの買い物に混じったまぐろを目ざとく見つけ、騒ぎ始めた。かつぶしのおいしさにも目覚めた。

末恐ろしい仔猫だ。


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