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見知らぬ天使との助け合いリレー

ただでさえ感傷的になっている 
阿部真央のライブ終わり、 
事件は起きた。

前にも同じ過ちを犯したことがあるから、
できるだけそうならないように、
服を選んできたけれど、

今日のライブにはこのスカートを履いて行きたい!と、裾が地面に擦れるんじゃないか?

と思うほど丈の長いスカートをチョイス。

ライブ終わり、余韻に浸りながら自転車を漕いでいると、「ブチッ」と鈍い音。

はい、またきたね。

前回と同様、チェーンに裾が挟まり、
ペダルがこれ以上前に漕げず、
身動きが取れない状況に。

焦らない焦らない。

真っ暗闇の中、止まって、降りて、長い髪の毛を床に垂らして試行錯誤していると、

すぐさま「大丈夫ですか?」の声。

後ろに子供用の椅子を担いだお母さんが声をかけて、一緒に、私以上に一生懸命に、

にっくき裾の長いスカートを、
外の世界に導き出すように引っ張ってくれた。

申し訳なくて、情けなくて、
孤独で、

その人のおかげでなんとか自由の身になれた。

気をつけてねって。


見知らぬ人。
見返りを求めない人。
そんな天使のような人。

でも私は以前、電車の中で気分が悪くなった女の子に救いの手を差し伸べたことがある。

ああ、これか。
その時のお返しが今日来たのか。

このお母さんもきっと、過去に見知らぬ誰かに救われたことがあって、
「よし、今度は自分の番だ」と、

困っている人を探していたのかもしれない。

「よし、今度は自分の番」。

こんな見知らぬ人同士が繋ぐ優しさのリレーの輪の中に自分も入っているのが嬉しい。

見知らぬ人に助けられたら、
見知らぬ人を助ける、声をかけることが
怖くなくなる。

よし、今度は私の番だ。

そんなライブ帰りの出来事。

20曲近くを歌い上げた阿部真央。
歌ってくれて、1番嬉しかった曲は
「天使はいたんだ」

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