変わらずそこに在ることの確かさが
旅がすきです。移動していないと自分が自分でない気がする。
遊牧民の遺伝子が入っているのではと勝手に思っています。安静時心拍数が高いことも関係あるかもしれない。
今日は夕方の変な時間に寝てしまったのだけど、記憶というのは不思議なもので、20年前以上に電車から見ていたチェコの湿原が夢に出てきた。
起きてから数時間、ここはどこ?状態に陥ってなんだか現実味がない。そんなときはとりあえずお水を飲んで、子どもとの会話。自分の居場所を確認する。
しばらくしてアルバムを引っ張り出して夢で見た湿原を辿る。
自由な旅行でした。新卒で入った会社を2年弱で辞めて、それでも退職金として頂いた35万ほどで冬から春へと向かう中欧への旅に出たのでした。
フライトチケット、ユーレイルユースパス、最初の宿だけ準備してから、東京に就職した友人に再会した。
なんで辞めたん?
やー、もういいかなあって。
「もういいかな」っていいねえ、言ってみたいわ。行ってらっしゃい。
会ったことも、そんな会話をしたことも普段は忘れているのに久しぶりに思い出した。やっぱり記憶というのは不思議。
それにしてもあまりに無責任で何も負うもののない会話が今の私には眩しすぎて遠すぎて、そういえばあのお店は今もあるのかと検索してみた。
なんと同じ場所に同じ店名で、健在だった。あの日の会話を汲んでくれた場所が変わらずあるなんて。
何も負わない1人旅。
今や全てが夢の中みたく思うけど、お店が今も変わらずそこに在ってくれたという事実が、行こうと思えばいつだって行けると背中を押してくれてるみたいに感じた。
近いうちにまずはあのイタリアンへ、行こうと思う。