プロレスとの出会い
「蝶野vs大仁田ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ」
プロレスというものは知っていたけれど
物心ついてから「なんだこれウケる」と思ってプロレスを見たのはこれが初めて。(勿論テレビ)
初めて見た電流爆破の衝撃もさることながら
私が気になったのは「プロレス」の技云々、団体云々よりも
ジープで入ってきたり
「タバコVS葉巻」など
入場や演出の方だった。
初めて知った
〝黒のカリスマ〟
蝶野さんの格好良さに胸が熱くなった。
またその頃
「格闘女神ATHENA」
という、全日本女子プロレス(全女)の中継がフジテレビで夜中に月1でやっており
当時女子高生だった私は日曜日夜更かししては
たまたま映った女子プロレスをいたずら半分眠気まなこでボーッとテレビを見つめており
子供の頃から抱いていた
・罰ゲームに出てくる
・デブ
・ブス
といった(ひどい)イメージを覆すとんでもない人たちを発見してしまった。
ラスカチョーラスオリエンタレス
なんだこの名前…!
え、全然スタイルいいしファーコート(確か)とか着てて嫌がらせしに来てるの?
嫌な女感満載じゃん…
しかも強いの?
しかもめっちゃ悪役なの…?
そんなんアリなの?
チャパリータASARI(え…?)すごい名前…
その日の深夜は衝撃だらけで目はギンギンに冴えて
翌日はそれをたまたま見てた女友達とプロレスの話しでもちきりだった。
同じ月1の深夜番組を見ていた女子高生3人組は
ジャンケンで負けた人が番組の最後に流れた
全女の後楽園ホール大会のチケットプレゼントに応募する、というふざけたジャンケンをした。
先ず、奇跡的にその日のチケットが当たった。
それを応募したのは、ジャンケンに負けた
その11ヶ月後には全日本女子プロレスの門を叩くことになる私だった。
・
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高校の制服のまま大興奮で後楽園ホールに向かう女子高生3人組。(めちゃくちゃ校則厳しくて寄り道なんて以ての外なのに)
本屋さんになかなかないプロレス(とくに女子)の本が沢山ある夢のような山下書店に歓喜する女子高生たち。
この日のメインはZAP がついに覆面を脱ぎ
伊藤・渡辺組としてラスカチョと決着をつける日だった。
思い返すと
私が女子プロレスを見て興味を持ったのは
ラスカチョだけではなく、敵(正義の悪)的な
ZAPの存在もとても大きかった。
本気で怖かった。
覆面で容赦せず、強い。
衣装もラスカチョはケイタマルヤマとコラボしていたり、華やかで贅の極みみたいなスタイルに対し
簡素な(失礼)コスチュームにミリタリーコートに竹刀のみ。
そして彼女たちの闘いに私の心を一段と躍らせて恐怖心を煽らせてくれたのが
ZAPの入場曲である「VERONA」だった。
(それを悪いとは言わないが)
プロレスラーといえばエレキギターがギュゥィ〜〜ンみたいな入場曲が多い中、
クラシカルで、長調ではなく短調が好きで、レクイエムのような曲が大好きだった私は曲を聴くだけで本当にワクワクした。
その日は素顔なのでVERONAは聞けなかったとして、
女子高生3人組は
当時渡辺智子さんを 「わたなべ」なのか「わたべ」なのかも分からず(爆)
周りの男性ファンの声援を頼りに
わたべっぽく聞こえたらわたべー!!
わたなべっぽく聞こえたらわたなべー!!いとうー!!
みまちゃんー!!えっちゃんー!!(そこは名前)
とDDよろしく、大興奮で一通り声の限り声援を送った。
南側のオレンジ席を用意して頂いた当選者の私たち
場外乱闘がお約束のラスカチョ戦では
こちらの方にもお越し頂き←
実際の試合の逞しさと
テレビで見るより細くて美しかったことと
セコンドで動き回っている全女の若手たちを生で間近で見られた嬉しさ、
ラスカチョからいいにおいがした事を覚えている。
しかし試合の途中からの記憶が今でも本当にない。
私これやりたい
それしか頭になかったから。
後にある意味職場のひとつとなる後楽園ホールでの
男性多めの熱気
空気感
実際見る選手の可愛さ
試合の激しさ
小人プロレスの衝撃
華やかな紙テープ
ビールやレモンサワーのにおい
大声の飛び交う売店
階段の夥しい落書き
全て脳裏に焼き付いてはいるけれど、
頭の中は真っ白だった。
後に様々な経験をして気付いたこと。
頭の中はよくできているもので
忘れたいほど衝撃的なことも
忘れたくないほど衝撃的なことも
覚えてはいてくれないのだ。
#プロレス #女子プロレス #全日本女子プロレス #後楽園ホール
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