生理学 副腎髄質のホルモン
こんにちは!
先週は 副腎皮質のホルモン ありがとうございました😊
今週は、副腎の更に内側 副腎髄質のホルモンについてです。
3層構造の副腎皮質の更に中 ということですね。
1、今週の問題
問 ノルアドレナリンの方がアドレナリンより作用が強いのはどれか
(はき第22回)
1 気管支拡張
2 心収縮力増大
3 血糖値上昇
4 血圧上昇
さて、、
副腎髄質といえば交感神経が興奮して分泌が促進されたり、
心臓に対する生理作用がメジャーですね。
アドレナリン、ノルアドレナリン という言葉もよく聞きますが
作用によって、どちらの物質方が作用が大きいのかが
微妙に違っています。。
他のホルモンに比べて、「副腎髄質のホルモン=カテコールアミン」という
イメージも強いため、そのうちの2つで迷わせる問題は少なくありません!
なんとなく作用がイメージできる分、意外と手を抜いてしまう範囲でもありますので
しっかり確認していきましょう✨
2、副腎髄質ホルモンの作用
副腎髄質のクロム親和性細胞(クロマフィン細胞)から分泌される
カテコールアミンは主に、
①アドレナリン(エピネフリン)
②ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
③ドパミン
の3つの物質から成り立っています。
「副腎髄質だけでの生産量」は
アドレナリンが80%、ノルアドレナリンが20%、、と
アドレナリンが圧倒的に多いです。が、、
ノルアドレナリンはほとんどが交感神経終末から放出されるものなので
体全身から分泌されることになります。
なので体全体で見ると、
血中のカテコールアミンのおよそ80%はノルアドレナリン となります!
(ドパミンは少々 というところです)
【作用】
・抹消血管抵抗を増加させ、血圧を上昇させる
⭐️この作用はノルアドレナリンの効果が強い!!
・心拍出量、心拍数、心収縮力などの心機能を亢進
・肝グリコーゲンの分解を促進し、血糖値を上昇させる
・気管支を拡張し、空気の通り道を広くし呼吸が沢山できるようにする
・胃腸運動は抑制する(平滑筋は弛緩させ、括約筋は収縮)
上記4つの作用はアドレナリンが強い
・基礎代謝、酸素消費量を増加し、熱の産生を促進する🔥
・脂肪の分解を促し、血中遊離脂肪酸を増加
3、緊急反応
生理学で必ず習うこの反応、提唱者はウォルター・キャノンですね。
これは、敵に遭遇して強い緊張状態に置かれたときに
全身的な交感神経系の興奮とともに、副腎髄質からのカテコールアミンの放出が大量になることです。
キャノンはこれを 闘争、逃走反応と呼ぶのですが、
物質的な敵、ストレスなどの見えないもの、急激な環境の変化など
生態の内部環境を乱すあらゆる生態の危機から守るための反応のことです。
この調節系のことを交感神経ーアドレナリン系や、交感神経ー副腎髄質系などと言います。
4、闘争、逃走の時の体の状況って、、?
前述した作用で少しイメージがつきにくいものもあると思うので
噛み砕いてお伝えします。
何かと戦うときや、何かから追われて逃げるときのイメージ
というのはなかなか経験がない方も多いですが
全力でスポーツを行っているイメージを持って
作用をもう一度ご覧ください。
サッカーでも野球でもバスケでもバレーでも陸上でもテニスでも
ウォーミングアップやベンチで見学中 ではなく
試合に出て、敵とボールを取り合ったり、
ベースを踏みに走ったり、ラリーを返し続けたり、、
集中して体を動かしている瞬間です。
・走り回って息が切れるので、空気の通りを良くするために気管支は拡張します
・集中して戦ってる時にトイレに行きたいって思うことは少ないですよね
むしろ、試合直前や直後はご飯があまり喉を通らないこともあります
これは
胃や腸に食べ物が入ってきたり、残っていて
消化が進んでしまうと、トイレに行きたくなってしまいます。
そこで
平滑筋は袋状なのでいっぱい溜めて置けるように拡張、
括約筋は袋の口を縛る輪ゴムのような役割なので収縮して
胃、腸でそれぞれ食べ物を一時的に停滞させて置けるように働いている
ということです。
また、膀胱でも同じように
胃腸の平滑筋にあたる排尿筋が拡張し
括約筋が収縮することで、尿を溜めて置けるように働いています。
・動き回って活動量が増えている時はドキドキしたり汗をかくので
心機能の亢進、それに伴う血圧の上昇、体温の上昇は
スムーズにイメージができますね😊
・そして、いつも確認している通り、
体の活動量が多い時はエネルギーとして働いてもらうために
糖質、脂質の大きい形のもの(グリコーゲンやコレステロールなど)を
細かく分解します。
なので血中には小さな形であるグルコースや遊離脂肪酸が増える
ということです。
いつも同じ表現になっていますが、エネルギー消費が多い時に
糖質と脂質が分解されるイメージはついてきましたでしょうか?
さて、お疲れ様でした。
作用を確認した結果、今週の問題の正解は①でした!!
副腎髄質のホルモンは自律神経の範囲でも
沢山出てくるので大まかなイメージと
具体的な単語をどちらも覚えて置けると強いですね✨
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