生理学 腎臓のあれこれ3
こんにちは🌞
暑さが少しずつ和らいできましたね。それに伴い、朝晩と昼間の寒暖差が大きくなってきました。季節の変わり目ということで、下痢や便秘、トイレが近くなるなどの自律神経症状の訴えが患者さんから多くなっていませんか?
前回までは、腎疾患の際の尿の異常をお伝えしてきました。
今日は少し生理学にまた戻り、正常な腎臓のお仕事について確認します。
腎臓の1番の仕事は尿の生成!
以前もさらっとお話ししましたが、腎臓のメインとなる仕事は
体液の量や浸透圧、pHなどを一定に保つことです。そのために、必要なものは濾過された原尿から再吸収し、不要なものは尿として排出します。
⭐️腎血流の約1/5が糸球体で濾過され原尿となります。しかし、
糸球体での濾過は大雑把!!!なので、体液のバランスを保つためには
尿細管での再吸収(原尿から尿細管周囲の毛細血管内に物質を吸収すること)、
分泌(尿細管周囲の毛細血管内から原尿に物質を加えること)、の2つが必要不可欠です。
そもそも、、
糸球体から濾過されるもの、されないもの
上記で説明した通り、糸球体での大まかな濾過の際には
糸球体の壁を通り抜けられるものとそうでないものがあります。
その違いは、
大きさの違い(サイズバリア)と、
その物質が纏っている電気が+か-かの違い(チャージバリア)によって異なります。
①糸球体で濾過されるもの(小さいもの、+の電気を纏ってるもの、-の電気を纏っているけど、小さいもの)
水、Na+(ナトリウムイオン)、Cl-(塩化物イオン)、
HCO3-(重炭酸イオン)、グルコース(ブドウ糖=糖質の1番小さな形)
アミノ酸(タンパク質の1番小さな形)、尿素(タンパク質の最終代謝産物)
クレアチニン(クレアチンの最終代謝産物)など、、
小さいものや、体の中で役目を終えたものが通過できます。
⭐️ちなみに、脂質の1番小さな形は脂肪酸ですが、正常なら濾過されません。
なぜなら脂肪酸はタンパク質とくっつかないと血中に存在することができないので、単体ではそもそも腎臓の糸球体のルートまで来られない✖️とイメージしてください。
②糸球体で濾過されないもの(サイズが大きいもの、-の電気を纏っているもの)
血漿タンパク質(アルブミンなど)、脂肪球(上記で確認した、脂質がタンパク質とくっついたものの総称)、血球(赤血球など)など、、大きいものは通過できません。
それを踏まえて、、
再吸収されるもの、分泌されるもの
再吸収と分泌の言葉の意味は先ほど確認しましたね😊
では、再吸収されるもの、分泌されるもにはどんなものがあるのでしょうか。
ちなみに、同じものでも再吸収と分泌の両方されるものもありますよ。
①再吸収されるもの(必要なので体に再度取り込まれるもの)
Na+、Cl-、HCO3-、グルコース(糖が尿から出たら糖尿病なので異常です💦)
アミノ酸、 など
②分泌されるもの(不要なので体外に排出される様に尿中に分泌されるもの)
H+(酸塩基平衡を維持するため)、アンモニア、パラアミノ馬尿酸、など
③どちらもされるもの
K+(カリウムイオン)、尿素などです。
⭐️尿の組成は95%が水です。そのほかに含まれる物質は正常な体なら概ね一緒ですが、その人それぞれの食生活や体内環境によって若干異なります。
K+や尿素が再吸収も分泌もされたり、Na+やCl-も少量尿に含まれたりするのは、その時の体に応じてそれが必要なのか、不要なのか違ってくるからです。
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