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ホームセンター業界/旧村上ファンド系のアークランズ取得のニュース
※ 本内容は2022/10/10時点の記事をWordPressからnoteに移行したものです
旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスがホームセンター大手のアークランズの株式を取得したという記事です。
同ファンドがアークランズを取得した理由に、アークランズの保有する上場子会社アークランドサービスとの時価総額の逆転という親子上場のゆがみの解消と、ホームセンター業界の再編を狙っていると言われています。
ホームセンター業界の上場企業一覧
正直、こんなにあるんですね。ホームセンター業界は他社との差別化がしづらい業界なだけに、企業統合による規模の経済の追求による効率化が求められる業界です。
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19社のうちで営業利益率上位10社をランキングすると以下のようになります。
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この後は気になった企業をいくつかピックアップします。
ナフコ
PBRとPERを見たときの割安感が半端ない一方で、同族企業感も半端ない企業です。九州地盤のホームセンターでお店に行ったことはありませんが、有価証券報告書の大株主の状況や役員構成、決算説明会資料からも古臭さを感じます。PB商品化を進めているようですがそれ以上は目立ったところがなく、新規出店・成長性もほぼありません。なんとか現状を維持しようというネガティブな印象が漂ってきます(あくまで私個人的な印象です)。
ジョイフル本田
ホームセンター業界では営業利益率が一番高い会社です。販管費率が低くコストコントロールが進んでいます。売上高が年々減少していますが、ガソリン灯油事業の譲渡など不採算事業の整理を進め、利益率を年々高めています。伊藤忠出身のプロ経営者が会社を率いています。気になる点としては、120億円を投資して2023年3月オープン予定のジョイホンパーク吉岡でしょうか。
タカショー
この会社はホームセンターではなくガーデニングの会社なので割愛。
DCMH vs コメリ vs コーナン商事
業界トップ級のカインズが非上場企業なので、上場会社の中での3強はこの3社で、指標的にはどこも似たり寄ったりです。業界再編を主導しそうなのはDCMです。島忠の買収はニトリに負けましたが、これまで業界再編を進めてきた会社です。例えば関西地盤のコーナン商事を買収するとなるとホームセンター業界でぶっちぎりのトップ企業になります。ちなみに、DCMの直近2022/2期の現預金残高は440億円、自己資本比率は53%と手元現金と借入余力はあり、コーナン商事の時価総額1,165億円ですので、600億円弱で支配権が獲得できます。ホームセンター業界はどこも株価が割安なので、買収もしやすそうではあり、業界再編はしやすい土壌はあるのかもしれません。
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ちなみに、冒頭のアークランズの傘下の飲食子会社アークランドサービスに関しても記事にしているので、よかったらそちらも見てください。