見出し画像

【草花】モモ(桃)(種子は生薬:桃仁[トウニン])

Wikipedia> https://ja.m.wikipedia.org/wiki/モモ


 モモ(桃、学名: Prunus persica)はバラ科スモモ属の落葉低木から小高木。また、その果実や花のこと。

 中国では裴李崗文化(約7500年前)において、モモの出土が確認されている。日本では長崎県の多良見町にある伊木力遺跡から、縄文時代前期(約6000年前)の日本最古となる桃核が出土しており、これが日本最古とされている。

【薬用】薬用とする部位は、種子、葉、花、成熟果実であるら。種子の内核は桃核(とうかく)あるいは桃仁(とうにん)とよばれ、成熟果実の中の核を割って種子を取り出し天日乾燥させて調整する。葉は桃葉(とうよう)、花は桃花(とうか)とよばれ、葉は6 - 7月ごろ、花は開花期に採取したものを天日乾燥して調整する。また成熟果実は桃子(とうし)ともよばれ、市販のものが使われる。
   種子(桃仁)は生理痛、生理不順、便秘に対する薬効があるとされ、漢方においては血行を改善する薬として婦人病などに用いられる。民間療法では、桃仁1日量2 - 5グラムを400 ccの水に入れて煎じ、3回に分けて服用する方法が知られる。生理初期に刺すような痛みがあり塊が出ると楽になるような人、ころころ便の便秘によいといわれる一方で、妊婦や貧血気味の人への服用は禁忌とされる。また、花(桃花)はむくみ、尿路結石、便秘に対する薬効があるとされ、利尿薬、便秘薬に使われる。民間療法では、利尿やむくみとり、便秘の改善に、1日量2 - 3グラムの桃花を400 ccの水で煎じて3回に分けて服用する方法が知られる。ただし、妊婦への服用は禁忌とされる。果実もまた便秘によく、のどの渇きを潤し、腹部を温める効果があるが、妊婦や胃腸に熱がある人は多食しないよう注意が呼びかけられている。
   葉(桃葉)は、あせも、湿疹に薬効があるとされ、乾燥葉を布袋に入れて浴湯料とし湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くとされる。ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので換気に十分注意しなければならない。
   なお、シラカバ花粉症を持つ人のうち一定割合の人がリンゴやモモなどバラ科の果物を食べた際に舌や咽喉(のど)にアレルギー症状を起こすことが知られている。ただし、妊婦への服用は禁忌とされる。果実もまた便秘によく、のどの渇きを潤し、腹部を温める効果があるが、妊婦や胃腸に熱がある人は多食しないよう注意が呼びかけられている。
 葉(桃葉)は、あせも、湿疹に薬効があるとされ、乾燥葉を布袋に入れて浴湯料とし湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くとされる。ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので換気に十分注意しなければならない。
   なお、シラカバ花粉症を持つ人のうち一定割合の人がリンゴやモモなどバラ科の果物を食べた際に舌や咽喉(のど)にアレルギー症状を起こすことが知られている。

〜[上記Wikipediaより抜粋]


【熊本大学薬学部・薬草園】【植物データベース】
バラ科
Rosaceae
モモ
Amygdalus persica L.
URL> https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003438.php


【英名】peach
【中国名】桃
【花期】3~4月
【生薬名】①桃仁(トウニン)【局】,②桃葉(トウヨウ),③白桃花(ハクトウカ)
【薬用部位】①種子,②葉,③花または蕾
【成分】①に青酸配糖体(amygdalin, prunasin),脂肪油
【薬効と用途】
 種子は駆瘀血(血の滞りを除く)作用があり,婦人科系の諸症状に用いる.また,神経痛,乾燥性の便秘,打撲傷やそれに伴う内出血,疼痛などにも用いる.漢方処方は桂枝茯苓丸,桃核承気湯,潤腸湯などに配合される.葉は日本では浴湯料としてよく知られ,刻んだ葉を風呂に入れて夏場のあせもや湿疹,かぶれなどに用いる.頭のふけには煎液で洗う.花や蕾は便秘の緩下剤として用いられるが,作用が強いため虚弱者や妊婦は気を付ける.
果肉は色によって黄桃系と白桃系に大別される.黄桃は缶詰用にされ,白桃は生食する.
中国では桃の花の咲き乱れる桃源郷を理想とすることや,モモの強い生命力から邪気を払う魔よけの作用があるとされた.日本でも桃の節句に花を飾り,魔除けに桃酒を飲む風習がある.

〜[上記「植物データベース」より抜粋]



【東京生薬協会】【新常用和漢薬集】
トウニン (桃仁)
URL> https://www.tokyo-shoyaku.com/wakan.php?id=177



【基原】 モモPrunus persica Batsch 又はPrunus persica Batsch var. davidiana Maximowicz (Rosaceae バラ科)の種子
定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,アミグダリン1.2%以上を含む
【調製】成熟した果実を集め,果肉を除いて核を取り出し,核を砕いて中の種子を集め乾燥する.
【産地】 中国(山東,山西,河北省など)
【性状】 扁圧した左右不均等な卵円形を呈し,長さ1.2 ~ 2 cm,幅0.6 ~ 1.2 cm,厚さ0.3 ~ 0.7 cmである.一端はややとがり,他の一端は丸みを帯びてここに合点がある.種皮は赤褐色~淡褐色で,外面にはすれて落ちやすい石細胞となった表皮細胞があって,粉をふいたようである.また,合点から多数の維管束が途中あまり分枝することなく種皮を縦走し,その部分はくぼんで縦じわとなっている.温水に入れて軟化するとき,種皮及び白色半透明の薄い胚乳は子葉からたやすく剥がれ,子葉は白色である.
【成分】
・青酸配糖体:amygdalin(日局18確認,定量)
・酵素:emulsin
・その他:脂肪油,遊離脂肪酸(oleic acid, linoleic acid),ステロール誘導体など
【選品】 赤味のある種皮が大きく厚みがあり,内部が油に富んでいて,噛むと独特な芳香が強いものが良い.
【適応】 駆瘀血(くおけつ)作用があり,婦人薬に配合される.潤腸(じゅんちょう)作用があり,緩和な便秘薬に配合される.
【漢方処方例】
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん),桃核承気湯(とうかくじょうきとう),大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
 構成生薬のうち,桃仁,牡丹皮の組み合わせにより,瘀血(おけつ)に起因する婦人の疾患 (イライラ,のぼせ,頭痛,生理痛,下腹部痛など)を改善する.
・潤腸湯(じゅんちょうとう)
 構成生薬のうち,桃仁,杏仁,麻子仁の組み合わせにより,高齢者の乾燥性の便秘を改善する.
・大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
 構成生薬のうち,桃仁,冬瓜子の組み合わせにより,排膿作用を強める.
・折衝飲(せっしょういん)
 構成生薬のうち,桃仁,紅花,延胡索の組み合わせにより,瘀血(おけつ)による腹痛を治癒する.
【備考】
・杏仁はscopoletinを含有するが,桃仁には認められない.
・市場には扁桃仁(扁平でうすい)と山桃仁(さんとうにん,小粒で厚みがある)があるが,後者は良品ではない.

〜[上記「新常用和漢薬集」より抜粋]





【漢方薬のきぐすり.com】
方剤名:桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
URL> https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/019-28.html


1.桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)の意味
      ・・・桃仁(トウニン)を含み気(キ)を巡らす方剤
・桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)の桃核は、桃仁(トウニン:モモの種子)のことです(図1)。停滞した血(ケツ)を巡らせる活血薬(カッケツヤク)です。
・承気は精神的ストレスなどによる気(キ)の流れの異常を正常に巡らせる薬能です。配合されている桂皮(ケイヒ)が関与します。
承気に関しては、漢方薬名の意味:調胃承気湯も参照してください。
 そこで桃核承気湯の名は血と気の巡りを調える薬能を示しています    

 2.桃核承気湯の適応・・・冷えのぼせ、頭痛、腰痛、便秘
・桃核承気湯は、冷えのぼせ、頭痛、いらだちなどの気逆(キギャク)と瘀血(オケツ)による症状に用いられる方剤です。
・本方は、婦人更年期障碍に限らず、男女のメタボ肥満や便秘を伴う生活習慣病・高血圧の頭痛やめまいに用いられています。
・婦人更年期障碍の漢方(9)めまいも参照してください。
・桃核承気湯の婦人更年期障碍への応用例が報告されています

3.桃核承気湯(トウカクジョウキトウ) の配合生薬
・桂皮: 4g, 桃仁: 5g,  甘草: 1.5g, 大黄: 3g, 芒硝: 0.9g
…桃核承気湯は、
 ・大黄(ダイオウ)を含む調胃承気湯(チョウイジョウキトウ:図2の下段の3生薬)に関連する
  瀉下剤(シャゲザイ)です。
 ・桃仁(トウニン)と桂皮(ケイヒ)を含む活血剤(カッケツザイ)でもあります。
 ・さらに桂皮と甘草(カンゾウ)を含むことから冷えのぼせ、頭痛などを軽減する
  降気剤(コウキザイ)の方意も有しています。

 4.桃核承気湯の関連方剤
 4.1)桃核承気湯と関連する承気湯類(ジョウキトウルイ)→下図参照
 4.2)桃核承気湯と関連する活血剤(カッケツザイ)  →下図参照


【ちょっと一言】桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)の適応
 桃核承気湯は、
 ・瘀血(オケツ)による痛み(頭痛、月経痛、腰痛、打撲痛、痔疾痛)と
 ・気逆(キギャク)による冷えのぼせ、頭痛、いらだち、興奮に用いられる活血(カッケツ)降気(コウキ)剤です。
 本方は、肥満便秘を伴う婦人更年期障碍に用いられることが多いですが、男女の生活習慣病・高血圧に伴う症状(頭痛、めまい、肩こり)にも用いられています。

〜[上記「漢方薬のきぐすり.com」より抜粋]






【養命酒・元気通信】【生薬ものしり事典】
桃の節句に欠かせない「モモ」
URL> https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crudem/180228/index.html


【邪気を払い百鬼を制す魔よけの木】
 3月になると、暖かな地方からはモモの花の便りが届きます。3月の行事として知られる「桃の節句」、つまりひな祭りは、旧暦の3月3日に行われていました。現在の暦にあてはめると約1か月のずれがあるため、かつては便宜的に新暦の4月3日を旧暦の3月3日に見立てて行事を行っていました。今でもその名残で、3月3日にひな祭りを祝うと、4月3日までおひなさまを飾ったままにする家もあります。
 ひな祭りの起源は、中国の上巳(じょうし)の節句で、漢の武帝が「三統暦」を制定した際、3月を辰月としたため、辰に縁の深い巳の日を忌日として、災厄から逃れ、不浄を除くための祓いを行ったのが由来とされています。中国では古くからこの日に川辺に出て、青い草を踏み、川の流れでみそぎを行い、酒を酌み交わして穢れを払う除災の風習がありました。これが「曲水の宴」や人形に身体の穢れを移して、海や川に流すようになりました。この人形が技術の発達とともに装飾的なものとなり、観賞用のひなとなって、おひなさまが主となる行事へと変わっていったようです。
 「桃は五行の精なり」といわれ、古来より邪気を払って百鬼を制す信仰の対象でした。モモを漢字で「桃」と書くのは、「兆しを持つ木」として、未来を予見して魔を防ぐ木と考えられていたことを物語っています。また、モモの木は多くの実を結ぶことから、聖なる多産の木と考えられていました。そうしたことから、女の子の末長い幸せを祈る桃の節句の行事になっていきました。
 モモの原産地は黄河の上流の高原地帯。中国では3000年以上前から栽培されています。日本にも原種が存在しますが、弥生時代の末期に渡来したようです。現在のような大型のモモが市場に登場するのは明治以降。それまでは今よりも小型で、食用より神事や薬用に多く使われていました。薬用としては、種子、葉、花、果実、樹液、木部などの部位が利用されてきました。江戸時代には観賞を目的に「花桃」と呼ばれ、花の色が紅、紫、白、紅白に咲き分けるもの、八重咲など20種以上が作られました。
 モモに関する記述は、『古事記』や『日本書紀』にも見られ、『万葉集』にはモモを詠んだ歌が6首採用されています。江戸時代まで、モモの花の美しさを詠んだ歌が多く見られます。

春の苑(その) 紅匂う 桃の花 下照る道に 出て立つ娘子(おとめ)
:大伴家持

老が世に 桃太郎も出よ 桃の花
:一茶

 モモの植物名は、「真実(まみ)」や「燃実(もえみ)」からの転化説や、実が多いことから「百(もも)」を語源とする説などがあります。牧野富太郎博士は「日本では円くて硬いものをモモという」と述べていますが、確実な説は不明です。
 モモの別名は「御酒草(みきくさ)」「毛桃子(もうとうし)」「三千年草(みちとせぐさ)」などがあります。学名はPrunus prsicaで、属名はラテン語のスモモの意。種小名は原産地を間違えて命名されてしまったことから、ペルシアの産するプラムの意となります。花言葉は、「私はあなたのとりこ」「気立てのやさしさ」です。

〜[上記「元気通信」より抜粋]




【わかさ生活】桃
URL> https://himitsu.wakasa.jp/contents/peach/


 桃はバラ科サクラ属の植物です。果実だけでなく蕾や種子、葉にも健康成分が豊富に含まれています。果実には食物繊維、カリウム、クエン酸などが豊富に含まれているため、腸内環境を整える効果や疲労回復効果があります。また近年の研究により、糖尿病を予防する効果も期待できます。    

【桃の健康効果】 
◎腸内環境を整える効果
◎疲労回復効果
◎高血圧を予防する効果
◎コレステロール値を下げる効果
◎糖尿病を予防する効果

【桃はこんな方におすすめ】
○便秘でお悩みの方
○腸内環境を整えたい方
○疲労を回復したい方
○血圧が高い方
○コレステロール値が気になる方
○糖尿病を予防したい方


〜[上記「わかさ生活」より抜粋]

いいなと思ったら応援しよう!