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レッスンプロとしての道と「ゴルフは我が人生」の教え



私は30年以上レッスンプロとしてゴルフに関わり、
多くのゴルファーと接してきました。その中で、
「レッスンプロとしての道」と「トーナメントプロとしての道」は決して同じではないということを痛感しました。


レッスンプロは、人を上達させることに全力を注ぐ。
トーナメントプロは、自分が上達することに全力を注ぐ。



この二つの道を混ぜてしまうと、どちらもうまくいかなくなります。
私はこの考えに至るまでに、多くの試行錯誤をしてきました。
そして、その考えを大きく変えたのが、
ボビー・ジョーンズの「ゴルフは我が人生」の前書きにある一節 でした。

ボビー・ジョーンズ『ゴルフは我が人生』より(原文そのまま)



「私は人のゴルフの仕方には二つ分けられるべきだと思う。
時間の余裕があってしかもゴルフが好きな人はアベレージゴルファーを遥かに超えたクラスを目標に、
真剣な研究と練習に十分な時間をかければよい。
しかし、一般の人のようにわずかな暇しかない人は、
自分と同じような人たちとフォアサムでささやかな楽しみを求めてラウンドすることに満足すればよいのである。

しかしこの二者をミックスさせることはできない。
特に後者の努力と前者の野心を満たそうとすることは無意味である。」



この言葉を読んだとき、私はハッとしました。
「レッスンプロとしての仕事」と「トーナメントプロとしての道」は、まさにこの二つのゴルフの考え方と同じではないか と思ったのです。

レッスンをしていて気づいたこと



私は日々、一般のゴルファーのレッスンをしています。すると、多くの人が「なかなかうまくならない」と悩みを抱えています。

「どれだけやっても飛距離が伸びない」
「スコアが良くならない」
「もっと上手くなりたいけれど、練習する時間がない」

こうした相談を受けることは日常茶飯事です。そのとき、レッスンプロとしての立場から 「そんな練習量じゃうまくいかないよ」 と思ってしまうこともあります。なぜなら、トーナメントプロを目指す人たちは、信じられないほどの時間を費やし、努力を積み重ねているからです。

しかし、ボビー・ジョーンズの言葉を改めて考えると、これは単なる 「努力不足」ではなく、そもそもの考え方が違う ということに気づきました。
つまり、一般のゴルファーとトーナメントプロを 同じ基準で考えてはいけない のです。

2つの道を理解する



ボビー・ジョーンズの言葉を借りれば、 「一般ゴルファー」と「トーナメントゴルフ」は別の世界 です。
しかし、それを単純に分けるのではなく、両方の価値を理解し、どちらのゴルフを目指すのかを明確にすることが大切なのです。
• トーナメントゴルフを目指すなら → 膨大な時間と努力が必要
• 一般ゴルフを楽しむなら → そのスタイルに合った目標設定が必要

この二つの道を理解しないまま、
「なぜ上手くならないのか」
「なぜプロのようにプレーできないのか」
と悩んでしまうのは、間違った方向へ進んでいる可能性があります。

中部銀次郎が見た「プロの壁」



この考え方をさらに確信させたのが、
日本の伝説的アマチュアゴルファー 中部銀次郎 の話です。彼は、プロを目指していた頃、ある光景を見て驚きました。

「プロゴルファーの杉原輝雄が、200ヤードのフェアウェイウッドを完璧なショットで永遠に打ち続けている。」

それを見た瞬間、彼はプロになるのを諦めたといわれれます!こんなに正確に打てることに衝撃を受けたと!

実はそうではなく
この話には続きがあり

「こんなに正確なショットを打てる人が、

それでもなお、延々と練習し続けている。」


つまり正確に打てるのに
それでもなお日が暮れるまで練習している姿を見て
自分が入る世界ではないと悟ったのです。

つまり、才能があってもプロの世界では 「さらにその先」を求めて努力し続けることが当たり前 なのです。

一般ゴルファーの価値とは?



では、一般ゴルファーはどうすればいいのでしょうか?
答えは 「自分に合ったゴルフを楽しむこと」 です。

中部銀次郎も 「アマチュアゴルファーとしてゴルフを楽しむ」 という道を選びました。そして、それが 彼のゴルフ人生にとって最良の選択だった のです。

これは、一般のゴルファーにとっても同じことが言えます。

「プロのように練習できなくてもいい。自分に合った楽しみ方を見つけることが、最高のゴルフ人生につながる。」

まとめ
1. レッスンプロとトーナメントプロは別の道
• 人を上達させることに全力を注ぐのがレッスンプロ。
• 自分が上達することに全力を注ぐのがトーナメントプロ。
2. ボビー・ジョーンズの言葉:「二つのタイプのゴルファーを混ぜるな」
• トーナメントゴルフを目指すなら、それに見合った努力が必要。
• 一般ゴルファーは、自分に合ったスタイルでゴルフを楽しむことが大切。
3. 中部銀次郎が見た「プロの世界」
• プロは、圧倒的な技術と努力を積み重ねる世界。
• それを理解し、自分のゴルフをどう楽しむかを決めることが重要。

最後に

私はレッスンプロとしての道を選びました。
そして、ボビー・ジョーンズの言葉にあるように、 「ゴルフをする人にはそれぞれの道がある」 ということを学びました。

「プロのように練習しないと上手くなれない」
「でもそんな時間はない」
と悩むのではなく、 自分のゴルフの楽しみ方を見つけることが、最高の上達法であり、最良のゴルフ人生へとつながる のです。

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