福島、大満喫
モンゴル旅行記の続きが滞っていることは自覚しています。けど、10/7-9の三連休で行った福島旅行が非常に充実しており、残しておきたくなったので、日記を兼ねて勝手に福島をアピールしようと思います。
(9月の連休で行った佐渡旅行も本当に素晴らしかったんだけど、なかなか記録する時間が取れず…旅行の日記は帰り道にガッと書くべきと学んだ)
1日目:鍾乳洞・被災地・提灯祭り
三連休の敵はもちろん高速道路の渋滞。これを回避するために最近の私たちが覚えたのが、前日夜の終電集合出発である。
24時半過ぎに友人宅に集合し、1時くらいに出発。ガラガラの高速道路をどんどん進んでいく。深夜のサービスエリアで食べるフードコートのご飯、大好き。
運転手を交代しながら、4時頃に栃木と福島の県境あたりまで到着。元々は福島県内の道の駅まで進んでから仮眠を取る予定だったが、サービスエリアに朝開店の美味しそうなパン屋があったのでここで一度眠ることにした。
3時間くらい眠り、開店したパン屋やフードコートで7時頃朝ごはんを食べて再出発。
福島県に入ったくらいで大きな虹がかかって最高だった!
9時頃に第一目的地の入水鍾乳洞に到着。
福島県南部の観光地を探していたときに「あぶくま洞」という大きな鍾乳洞を見つけ、その関連で出てきたのが入水鍾乳洞。「入水鍾乳洞」とGoogle検索で入れると、サジェストの1番上に「やばい」と出てくる、期待の鍾乳洞である。
どうせ行くならライトアップされてる観光鍾乳洞じゃなくて、ガチな探検がしたいよね?と思って入水鍾乳洞を選択。
受付で免責事項にサインをし、サンダルを借りて自宅から持参したヘッドライトを点けて鍾乳洞の中へ。手前からA-B-Cにコースが区切られており、Aまでだと600円、Bまでは追加料金400円、Cは要予約で、案内してくれる人と一緒でないと入ることができない。まずは比較的空間が広く照明も用意されているAを、それでもビビりながら進んでいく。狭い空間のすぐそばを轟音を立てながら地下水の滝が流れていく。ディズニーランドの、センターオブジアースの中みたいだった。
15分ほどでAコースの終着点に。3人のうち1人は狭いところが苦手とのことで、Aで引き返した。
私ともう1人で、電気がない暗闇を僅かな光で進んでいく。Bコースはずっと足元が地下水に浸かっている。刺すような冷たさの水に晒されて、すぐに足の感覚がなくなった。
歌を歌ったり、狭さに大騒ぎしたりしながら、なんとか暗闇の中を進んでいく。1番水が深いところは膝より上の水位だった。かと思えば天井までの高さが1mくらいしかなく(しかもうち15cmくらいは水である)四つん這いにならざるを得ないところも。「本当にここが正しいルートですか?」と疑わざるを得ない、ギリギリの隙間に無理やり体を突っ込んで(時につっかえながら)20-30分ほど進んで、とうとうBコースの終着点に到着した。
受付のおじさんからは「無理だと思ったらすぐ引き返してください」と言われており、私たちも最後まで行けるとは思っていなかったので、ゴールの感動はひとしおだった。
なんとか地上まで戻ると、空が高くてびっくりした。
次は「道の駅なみえ」でお昼ご飯。復興の拠点として2020年に出来たらしく、新しくて綺麗だった。
なみえ焼きそばを食べようと思って浪江町にきたものの、地魚ユッケ+シラス丼があまりにも美味しそうだったので、焼きそばは3人で頼んでシェアすることにした。
どっちもめちゃくちゃ美味しかった…凄く混んでいたのに提供も早く、とても良い食堂だった。
ご飯を食べて外をぶらつくと、ラッキー公園を発見!!福島親善大使としてラッキーが任命されて活動しているんだとか。
巨大なラッキー型滑り台のほか、ピンクのポケモンたちを模した遊具がかわいらしくて、癒された。
道の駅内に酒造のショップがあったので、甘酒を買い、甘酒ソフトも食べた。濃厚で美味しかった!甘酒大好き!
お腹を満たした後は、震災遺構、請戸小学校へ。
海側へ走っていると「産業団地」と書かれた大きな看板があり、そこを超えて急に空が広くなったように感じた。全てが流されたということが、ありありと感じられた。しばらく行くと、ポツンと海沿いに請戸小学校が建っていた。
請戸小学校の生徒は、教師たちの的確な避難指示により、全員が助かっている。遺された校舎を巡りながら、14:46からの状況を詳細に回想するパネルを見ていった。緊急時の的確な判断は、本当に凄い。石巻で見た大川小学校(指示系統の混乱により避難が遅れ、生徒のほとんどが亡くなった)のことを思い出して、何が違ったのだろう、とifを思った。
ほとんどの教室は遺構としての展示のためにある程度片付けられていたが、印刷室の一室だけは震災直後のまま残されていた。もとはゴミでも瓦礫でもなかったはずの大切なものが、ボロボロになって天井近くまで積み上がっていた。
被害が少なかった2階は様々な資料が展示されていて、そこで久しぶりに津波の映像を見た。
当時の記憶はもうだいぶ曖昧になってきている。揺れる教室、悲鳴、揺れて溢れるグッピーの水槽の水。初めて訓練以外で並んだ校庭で「ついに首都直下地震?」と周りの子達と話していたこと。迎えに来た保護者たちの情報で、どうやら震源は東北らしいと知ったこと。家に帰って付けたテレビで、津波を見たこと。ライトがついたまま取り残された一台の車が津波に飲み込まれていく映像を見たこと。新聞朝刊一面の、爆発する原発の大きな写真。繰り返されるACジャパンのCM。ぼぽぽぽーん。
当時の映像、展示された記録写真や、遺構となって公開される際に寄せられた文書で、自分と同い年だった人もここにいて、故郷を失ったのだ、ということを頭でも感情でも理解した。苦しさへの共感なのか恐怖が想起されたのか、よくわからないけれど、なんだかずっと泣きそうだった。
請戸小学校を出て、5分ほど移動して東日本大震災 原子力災害伝承館に。後ろの予定があったので全てを見切ることができなかったが、展示資料だけではなく、自分で見たいものを選択できる映像資料がたくさんあり、原子力発電所で何が起きていたのかを順に追っていくことができて、とても勉強になった。
石巻・気仙沼を観に行った時も津波の悲惨さは感じたが、やはり福島は原発によって被害が何倍にも甚大かつ複雑になっている。家畜たちを安楽死させるしかなかった畜産農家のことや、いまだに全国平均よりも低い農産物の価格など、主要産業の一次産業が大打撃を受けたことがよく分かった。
福島を訪れた際には、また伝承館にも来たい。
双葉町を出て東側へ山道を移動。車で走っている時に「この先帰宅困難地域のため〜」のような看板がいくつもあった。
そもそも放射能って何?除染ってどういう仕組み?と言った疑問を、それぞれが伝承館で見た知識を交えながらあーだこーだ話つつ、二本松へ到着。ちょうど旅行の期間が二本松提灯祭りと重なっていたので、祭りを見るのが今日の最終アクティビティだった。
道端で無料で振舞われていた祝い酒(甘口で美味しかった!)をいただき、屋台でお祭り飯を色々食べ、型抜きにも挑戦。あとちょっとのところで割れてしまった…。
近くでチャレンジしていた中学生っぽいグループが「おれはこのゲームの必勝法を見つけた。歯ブラシで薄くすればいいんだ」「天才か??」「削ろう削ろう」と小声で大盛り上がりしていたのがとてもよかった。
型抜きに失敗した後は、二本松神社で参拝。神楽が行われていた。
時間を見つつ、提灯が通る大通りでしばらく待機。当初の想定よりも遅れているのか、なかなか予定時間になっても来なかったが、だんだんと近くなる太鼓の音に心が高鳴った。
とうとう目の前に提灯が姿を現したときには、みんな大興奮!!!7つの町がそれぞれ一台の提灯神輿を引いていく。町によってパフォーマンスに個性があったのが面白かった。
全体的に若者が中心の町が多くて、見ているだけでなんだか元気をもらってしまった。祭りってすごい。古来から続く伝統と今を生きる人たちの活力が見事に調和している感じがした。
22時頃に二本松を出て、福島市へ北上。エアビーで予約した古民家に宿泊し、一瞬で眠りに落ちた。
2日目:ぶどう狩り・ソースカツ丼・五色沼
朝起きて、エアビーのオーナーの方が置いておいてくれたウェルカムドリンクならぬウェルカムフルーツをいただく。りんご・梨・ラフランスで、どれも甘くて美味しかった。
車で少しだけ移動し、果樹園へ。泊まったのは「フルーツライン」と呼ばれる、果樹園が密集するエリアで、右も左も、そこらじゅうが果樹園だった。
今回私たちが訪れたのは、まるよし果樹園というところ。ぶどうの食べ放題が60分1500円と激安で、しかも正直なところ時間制限については何の案内もなく、結局私たちは1時間45分くらい食べ続けてしまった。
初めはあまりの安さに「食べ放題って、ちょっと質が悪いんじゃないの?」なんて思っていたが、予想は一瞬で裏切られる。「この畑は全部好きにどうぞ」と案内された広い畑にはシャインマスカットや巨峰などの王道を始め、初めて聞く品種のぶどうが大量にぶら下がっていた。粒も大きくて、甘くて、びっくりするくらい美味しかった。
ぶどう狩り、最高!福島最高!!!3人で9房を食べた。
もうしばらくぶどうは要らないかな…と思えるところまで食べまくり、会津若松へ移動。
道中で歌を歌いまくってなんとかカロリーを消費し、デカ盛りで有名な会津若松のソースカツのお店、十文字屋を訪れた。14時頃でも15組以上並んでてびっくり。人気店だった。
3人でシェアしつつ、名物の磐梯カツ丼、喜多方ラーメンを食べる。磐梯カツ丼はgoogleマップの口コミにあった「握力がないと辛いかもしれません」を笑い飛ばせないほど分厚くて重く、濃いめのタレがご飯とキャベツと絡んで、めちゃくちゃ美味しかった。喜多方ラーメンも麺にコシがあって美味しかった。お腹いっぱい…
「このままでは旅館の夕食が入らない!運動せねば!!」という意気込みで、次は五色沼へ。
スタート地点の物産館で赤べこのガチャガチャをやった。神獣べこというシリーズで、ドラゴンやケルベロス、シーサーなど色んな神獣と赤べこがコラボしている。めちゃくちゃかわいい!!
時間の都合で全ての散策路を歩き切ることはできなかったが、有名な青池や弁天池を見ることが出来た。コバルトブルーがすごく綺麗だった。
3人で出かける時は、だいたい歌を歌っている。帰り道、もうすぐ駐車場かな、という時に、友人の1人が「そろそろやりますか」と言い出した。お、かえるのうたかな、と思っていたらやっぱり彼女が歌い始めたのはかえるの歌で、私ともう1人の友人の順番がバッティングすることもなく、世界一スムーズに輪唱が始まる。(ちなみに私たちの輪唱は4拍ではなく2拍ズラしが基本。「かえるの」でもう次の人が入る)
「3人だと簡単すぎるね。やっぱ8人くらいは必要」という意見で全会一致したが、たとえ3人であっても、会うたびに前振り無しでかえるのうたが歌えるマブダチがいることを、誇りに思っている。
五色沼を出て、休石温泉の旅館、太田屋へ。
日帰り温泉としても人気の透明な硫黄泉が最高に気持ちが良かった。夕飯は鯉の甘露煮が名物で、甘じょっぱくてご飯が進んだ。旅館のご飯、大好き!
3日目:大内宿・赤べこ絵付け体験
朝から雨。チェックアウト時間ギリまでダラダラし、宿場町の建物が残る大内宿へ1時間と少し移動。
赤べこの絵付け体験を申し込んでおり、これがもうとんでもなく楽しかった!!!
はじめになんの柄もついていない赤べこが渡され、赤黄青白黒の5色の絵の具を用意してもらう。「乾かしたい時は呼んでくださいね」とお店の方に声をかけていただき、赤べこ絵付けスタート!
ちょっと横の模様を書くだけなのかな?なんて思っていたが、私たちの前にやっていたご家族は3体中2体が赤ではない(全面を他の色で塗っている)など想定以上に自由度が高く、3人で思い思いの赤べこを作成した。
私は赤のベースを活かし、大好きな映画、カーズより主人公ライトニング・マックイーンをイメージした赤べこを作成!!ラスト急いでしまったので粗いところもあるものの、大満足。
事前情報では「所要時間:40分」と書いてあったが、後ろが来ないことを良いことに、結局2時間半以上も作業させてもらった。帰る時には「こういう取り組みしたら、バズると思う?値段設定どれくらいがいいと思う?」と相談されるくらい謎に店員さんとの距離も縮まり、大内宿のことが大好きになった。
みなとがわ屋、というお店です。赤べこの絵付け、めちゃくちゃ楽しいのになんとたったの1500円です!びっくり!!!
3人とも赤べこに夢中になった後は、高遠そばのお店、三澤屋へ。歴史ある建物で雰囲気がとても良かった。
高遠そばは、箸ではなくネギで麺を掬い、薬味としてネギを齧りながら食べ進めていくという面白いスタイル。大根おろしもたくさん乗ったさっぱりしたお出汁のそばで、若干ネギが辛かったものの(私は極端に辛いものに弱い)とても美味しかった。
サービスの白菜漬け・かぼちゃの煮物も貰ってしまい、そしてなによりもそれらを持ってきてくれた店員さんの福島弁(?)が柔らかくて素敵で、お腹も心も大満足。
お土産屋さんで見つけた神獣べこガチャガチャをもう一回回し、関東への帰路についた。
学生時代に、福島原発の影響で避難を余儀なくされた人たちを対象としたアンケート調査の分析を少しだけ手伝っていたことがある。余白いっぱいに綴られた、故郷に戻れないことの悲しみ、憤り、生活への不安、苦しさの生々しさが忘れられなくて、いつか浜通りには行かなければならないとずっと思っていた。
被災地としての福島も、めちゃくちゃ食べ物が美味しくて素敵な文化を持つ一つの都道府県としての福島も、どちらも体験できた良い旅行だったと思っている。行けていないスポットもたくさんあるので、また行きたい。
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