あなたを手放すそのひまで ~障害児入所の流れについて~
「可愛いはずの我が子を、入所・入院させてしまった」
「自分の子供を、自分たちで育てられないなんて親しっかく」
障害のある子どもさんの入所・入院を、検討しているパパやママ。
あるいは、子どもさんが入所・入院をしているパパママ。自分を責めていませんか?
こんにちは!障害児育児歴20年目に突入。元看護師Webライターのそふとナ鬼嫁です。今回は、私事になりますが愛娘・オッチビが入所することになりました。そこで、障害のある子どもの入所の流れについて書きたいと思います。
自分の手で育てられないってことなのかな
親しっかく
子どもになんてことをしたんだろ
と悩むあなたに読んで欲しい。そして、自分自身を決して責めないでほしいと強く願います。本記事では、障害児契約入所の流れについて紹介していますので参考にされてみてくださいね。
オッチビのプロフィール
本題に入る前に、本記事に出てくる「オッチビ」とは誰なのかを少し紹介します。もし良ければ、お付き合いください。
生年月日:2012年生まれ
年齢:11歳
性別:女の子
障害・疾患:自閉症スペクトラム、ADHD、
中度知的障害、解離性同一性障害、変換症、PTSD
特性:・繊細
・偏食
・感覚過敏
・人の心を読む
・環境の変化がにがて
オッチビはそふとナ鬼嫁家の次女として、8年ぶりに授かった待望の子です。
そりゃぁもう、目に入れてもいたくなくて元気も良くてかわいい女の子。(もちろん今も(⋈◍>◡<◍)。✧♡)
オッチビが障害があると分かってから現在まで
1歳3ヶ月:発達の遅延を指摘される
1歳半~:療育スタート
2歳ころ2歳前?~:内服開始
⇒寝ない子だったのよ3歳:自閉症スペクトラム、
ADHDと診断6歳:知的障害と診断
特別支援学級に在籍
⇒入学3日で不登校8歳:特別支援学校へ転入
9歳:療育センターの主治医から
内服調整は困難と
⇒入院(10日で退院)
⇒二次障害発症
今は学校にも行けるようになり、給食も少しづつ食べられるようになりました。
いま思えば特性バリバリ
新生児~:くしゃみや咳など音に
敏感で泣く沐浴でギャン泣き
⇒毎日の沐浴が苦痛でしたミルクをあげる人が変わると飲まない
4ヶ月ごろから抱っこを嫌がる
⇒抱くとのけぞるから、遊んでるのだと思っていました食事のこだわり
⇒細長い物しか食べない。
⇒細長けりゃ食べるわけでもない
⇒やせた乳幼児一日中動き回り、体力無限大
2時間おきに起床
⇒フルタイムで働いていた私は、睡眠不足で2週間に1度寝込んでいました。
ざっくりこんな感じです。無知って怖いですね💦
入所を決めた日
日々成長する、オッチビ。体格もよく、力もついてきます。小学5年生になり、わたしが突き飛ばされることも増えてきていました。
発達障害の特性に加え、二次障害を発症したオッチビからは多くの人格が誕生しました。(解離性同一性障害については、改めて記事にします)
学校やデイサービスなどとの連携やショートステイ・日中一時支援・訪問看護ステーションの利用。それでも、私の体が悲鳴を上げてしまったのです。
うつ病を発症。まさか私が、発症するなんて思ってもいませんでした。
その時夫が私に、
「俺にできるのは、家事と子守。だけど、大好きなママが倒れたら子どもたちはどうなる?それだけ鬼嫁の存在は、大切なんよ。いまは鬼嫁が倒れないように、オッチビと離れることが最善だと思うよ」
と。冗談が9割の夫からの、切実なことばで背中をおされた気がします。
施設入所の流れ
お待たせしました!
ここでは、実際に障害のある子どもが施設へ入所する際の流れについて説明します。将来的に、お子さんの入所を検討している方は、一通り知っておくとスムーズに入所手続きが可能です。
入所施設を決める
児童相談所管轄になる
必要な手続き
入所施設を決める
入所手続きの前に必要なのは、入所施設を決めることです。ここで紹介する入所施設は、18歳までの子どもが対象となります。障害のある子どもが入所する施設は、下記の2種類。
福祉型障害児入所施設
医療型障害児入所施設
福祉型障害児入所施設とは、家庭での養育が難しい子どもにさまざまな機関を通して生活指導を行う施設になります。
対象は、自閉症スペクトラム・知的障害・精神障害・身体障害・肢体不・由・視覚障害・聴覚障害のある子どもです。
医療型障害児入所施設とは、福祉型障害児入所施設の体制プラス医療介入が必要な子供どもが対象です。10年ほど前までは、「重症心身障害児施設」として医療型障害児入所施設と療養介護支援を一緒に運用していました。ところが、少子高齢に伴い平成24年度から施設運営を分けて行う取り組みが行われています。
障害などにより、家庭での生活が難しい子どもさんは福祉型障害児入所施設。医師や看護師による継続的な医療ケアが必要な場合は、医療型障害児入所施設となります。
入所を決めなくても、将来的に少しでも施設入所の選択肢があるご家庭は施設の情報収集をしておくと良いでしょう。
児童相談所管轄になる
施設入所の場合は、児童相談所の管轄になります。現在、放課後等デイサービスやさまざまな福祉支援を利用されている方は支援事業所・各役所を通してサービスが提供さる仕組みです。つまり、これまでお世話になっていた事業所とは契約終了・廃止となります。
相談事業所(相談支援員)
放課後等デイサービス事業所
特別児童扶養手当などの給付 他
オッチビの場合、障害の特性から相談支援員さんとは二人三脚で進んできました。そのため支援員さんとの契約終了すると知ったじてんで、今後の不安が大きくなりオッチビの入所を先延ばしにしてきたのもじじつです。
必要な手続き
手続きの機関について、上記の表にまとめてみました。入所を決めたら、まずは希望する施設に連絡し空きがあるのかを確認。入所できるとハッキリ決まってから、各種手続きにすすみます。
手続きのポイントは、まめに各機関と連絡を取り合うことです。どの機関とも、ほぼ同時進行になります。ひとつづつ、確認しながらおこないましょう。
入所施設えらび3つのポイント
入所施設も、カラーがあります。特性に合わせて、ことこまかにスケジュールを立てているところ。本人に任せているところなど。ここでは、後悔しないための入所施設選びについてのポイントを紹介します。
障害に理解がある
入所する本人が慣れている
学校との連携がとれている
ポイント①障害に理解がある
1つ目のポイントは、障害に理解があるということです。障害児対象の施設だからといって、障害に理解がある職員ばかりではありません。では、どのように見抜けばいいの?と思っている人も多いのではないでしょうか。
私がここでお伝えしたいのは、仮に利用した施設であればあなたのお子さんの特性を理解しているかということ。同じ障害名でも、特性はみんなことなります。
たくさんの情報の中では、一定の特性を基準として設けていますがあくまでも一例にすぎません。理解するという言葉をべつのことばで表すとしたら、「寄り添う」や「むきあう」になります。一人一人にあわせた行動支援ができているかが、ネックです。
見学の際に、以下のことを頭に置いておくとよいでしょう。
生活フロア含む全体を案内してもらえる
1日のスケジュールを実際の資料を見せてもらいながら説明がある
実際に行っている支援を見せもらえる など
あなたが子どもさんの入所を検討するまでには、たくさんの葛藤があったでしょう。あなたの心にも、寄り添ってくれるという点もポイントになります。
施設入所は、子どもだけの問題ではありません。家族を含めた見えないところを、フォローしてくれるかどうかも見学に行かれた際は意識してみて下さい。
それでも、不安という方は抜き打ちで施設に見学に行くのも一つの方法になります。子どもに対する声かけであったり、さまざまな日常が見えるはずです。
ただ施設側の都合や特性のある子供たちにとって馴染みのない大人が突然現れるという点で、あまりおすすめはできません。
ポイント②入所する本人が慣れている
2つ目のポイントは可能であれば、お子さんが慣れている施設の方が良いでしょう。理由は、もうお分かりですね!
【施設】
・家族の背景を知っている
・子どもの特性を理解している
・親とのコミュニケーションが取れている
【あなた】
・利用施設の流れや職員について
把握できている
・全く知らない施設より信頼関係が
できている
オッチビの場合は、入所する施設でショートステイと日中一時支援を毎月定期的に利用しています。5年目になりますが、慣れているとは言えません。
しかし、環境の変化に敏感な特性を考えると利用している施設に入所することが最善だと考えました。
放課後等デイサービスなど、わらおもすがる思いで利用していても対応に不信感があるという方もいるでしょう。その場合は、新たに入所できる施設を検討することをおすすめします。
ショートステイや日中一時支援を受け入れている施設の中には、入所施設を有する所もあります。
またデイサービスが併設されているなど、日ごろから何らかの形で利用している施設のほうが子どもや親にとって不安の軽減につながります。
ポイント③学校との連携がとれている
3つ目のポイントは、施設と学校が連携をとれていることです。これまで、あなたが学校としてきた連携を施設に任せることになります。どのような連携が取れているのか、質問するとよいでしょう。
ちなみに、オッチビが入所する施設は下記のような連携をとっています。
毎朝、施設管理者が教頭先生と
情報共有をする学校から帰宅時に各担任の先生から
学校での様子を共有する
実際に、見学に行った際に帰宅時の様子を見せていただきました。学校の様子を伝えているのはもちろんですが、身体の変化「小さな傷」「痒みがある箇所」など詳細に申し送りをしていたことが印象的でした。
入所施設の費用について
入所する際にきになるのは、利用料金のこと。ここでは、福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設の利用料金について解説します。
上記の表は、厚生労働省が公表している利用料になります。表の負担金以外に、食費や光熱費がプラスで必要です。
しかし医療型障害児入所施設では医療費と食費、福祉型障害児入所施設では食費の免除があります。
詳細は、入所する施設での見学の際に聞いておくと良いでしょう。
たがいに幸せになることもある
本記事を読みながら、可愛い我が子の将来を想像し涙を流すかた自分を責める方がいるかもしれません。
たしかに、自分の子どもです。最後まで、自分の手で子育てをしたかったと思うこともあるでしょう。
責めないでほしい。
どんなに我が子が可愛くたって、限界はあります。自分の子供だからという責任感だけで、乗り越えられるものではありません。大切なのは、子どもが大好きなパパママが倒れないこと。
いつまでも健康で、笑っていることです。また距離をとり生活の場を変えることで、生活リズムやスキルを身に着けることも可能になる子どももいます。
親元で生活するだけが、幸せではありません。はなれていても、みんなが健康で笑っていることが幸せなのだと私は思います。
最後まで読んでいただ、きありがとうございました。
【参考文献】
厚生労働省:第1章児童相談所の概要
URL:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv11/01-01.html
厚生労働省:障害児入所支援の概要(P3~P4)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12204500/000547331.pdf
厚生労働省:医療型障害児入所施設の役割と課題について(P2~P6)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12204500/000536661.pdf
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