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「わたし」が「彼」になるまで
これの続きです。
ここでも小学校で「ホワッツディス?」や「フーズザット?」等と体で叩きこまれたものを「頭」にお引越しさせています。
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いちいち訳すのはめんどうなので、要所のみ取り上げていきます。
Oh, is this for "picnic area"?
(ああ、これは「ピクニック場」のこと?)
No, it's for "shrine."
(まさか、「神社」のことですよ)
「for」がカギです。小学校では「イズディスなになに?」「ノー、イッツかにかに」のような、誰でも口ずさんでしまうようなシンプルなフレーズを、とにかく稽古されてきた今時の中1生たちは、ここで「for」につまづきます。
これは一体なんだろう? もはや「体」では対処できないので「頭」を使うかない。「ああそうか ”for” は"~のこと" なのか」と必死に頭を使うわけです。
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「for」に続いて、ここでは「from」が登場です。
He’s from the Philippines.
(彼はフィリピン出身です)
ちなみにこの用法での「from」はもっと前のページですでに登場しています。
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I’m **from** Australia.
(私はオーストラリア出身です)
自分のことを語っているぶん、これはまだ「体」を伴っているのですが、
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He’s from the Philippines.
(彼はフィリピン出身です)
これはもう「頭」で語っています。自分のことではなく、級友、つまり第三者について述べているわけだから。
[続く]