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レオは苦笑いするかもしれない
これの続きです。
このページは特におかしなところはありません。
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「あなたは上手なのね」
「ありがとう。アリガト」
「ああ、日本語話せるんだ」
「うん、ちょっとはね。毎日勉強しているけど、漢字は読めないんだ」
理想をいうならば
I'm still working on kanji.
(漢字はまだまだかな)
と締めくくると、頑張り屋さんであることを印象付けられますね。
このページは「can」のおさらい用だから、そうもいかないわけですけど。
*
ところでこれより少々つまんないことを述べます。この二人、ずっと英語でやり取りしているのですね。それでメグが「アリガト」と口にしたとき、アサミは少し驚いたのです。
日本の中学校なのに全員が私服で、同級生や教師にガイジンが何人もいて、まるでインターナショナル・スクールのような環境が、平成よりずっと中学英語教科書ではスタンダードでした。
いったいあなたたち何語で話しているわけ? 皆さんそう思ったことはないですか。
手塚治虫のまんがで、ジャングルの奥地で、白いライオンが王様になって、鹿でも象でも動物がみんな仲良く暮らせる国を目指すお話がありました。
ライオンが肉食を止めることなんてできるのか? そこを作者も気にしてか、後でこの王様ライオンのために、仲良しの科学者(人間です)が、人工肉の製造に成功する話を挟んできました。
あのまんがは、敗戦を味わった日本が、デモクラシーという希望というか免罪の呪文に縋りついて生まれた「戦後民主主義」の空気が濃厚でした。
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日本の中学英語教科書は、どうもこの『ジャングル大帝』と同じ匂いがするのですよ。
詳しいことは後の機会に。
[続く]