小5の英語教科書に目をとおしてみたら(7)
これの続きです。今回取り上げるのは Unit 7。
小5の年明けに習う単元のようですね。
アレな英文がここでもいくつか出てきます、アレな英文が。
ページをめくると、線で結びましょうゲーム開催中です。いつものあれです。
左ページに「びゅーてぃふる」「ふぁん」「えきさいてぃんぐ」が縦に並んでいて、それぞれに絵がついています。基本形容詞ですね。和訳ではなく絵でわからせる工夫、巧いです。
下にあるのは、右ページの上部分のアップ。
とにかく言わせるようです。「うぃーはヴはなみいんすぷりんぐ、ゆーきゃんいーとはなみべんと、いっつないす」 太いフォントになっているところさえ聞き取れればいいしわかればいいからとにかく言うてみぃなノリでおけいこ。
ちなみに「You can eat hanami-bento. It's nice.」ですと「そなたたちハナミベントを食してよいぞ。うまいのだ」と聞こえてしまいますね。「This is hanami-bento.」(これがハナミベント)ぐらいでいいと思うのですが。
ここも、”とにかく発声して対話ごっこしなさい” コーナー。
「ほわっどゅーゆーどぅーおんにゅーいやーずでい?」「あいゆーじゃりーぷれいかるた」
太フォントのところさえわかればいいからとにかく言ってみましょうという稽古です。
これがそもそもどういう対話内容なのかは、「日本にはどんな年中行事があるか、友達とペアで考えて、その行事にすることや、食べるものについてたずね合おう」としっかり事前に問いかけ文の体裁ですでに種明かししているので子どもらは「ああそういう対話なんだな、一番最後のフレーズだけ取り替えていくんだな」とすぐわかるのです。
こういうの巧いな、うまいな。これくらいの親切設計なら、落ちこぼれる子はいないと思う。
ただですねえ、
「ほわいどぅーゆーらいくうぃんたー?」
あーっこんな風に「ほわい」を使ったりしたら
なんだって冬が好きなわけ?冬なんてつまんないじゃん
と相手には伝わってしまいます!
「ほわい」(why)にはそのくらい強いニュアンスがあるので、あまりお気軽には使って欲しくないです。
理想をいうと「ほわっめいくすゆーらいくうぃんたー?」つまり
What makes you like winter?
(どういう理由で冬が好きなの)
のほうがいいのですが、三人称単数のとき動詞が活用することは小学校の英語で教えてはいかんことになっているのと、使役動詞も中学校で習うことになっているため、このもっとおだやかな訊き方を授業でけいこさせられないのです。
これ、少々とまどいます。
「あいゆーじゃりーすろーびーんず、いっつふぁん」 これは作文できないでしょう小5では。だいたい「すろー」(throw)も「びーんず」(beans)もこの英語教科書では習わないのです。
この対話ゲームのお手本例文ということでズルやってませんか東京書籍さん?
そういえば「びーんず」(beans)って複数形ですよね。ここまで複数形って習ってたかな?
社会科こーなー。
要は愛国心教育なのですが露骨にそういうのは教科書で語りにくいのでクールジャパンの体裁でやってますね。