私の本、Amazon書評で☆9.9!
以下、全文引用します。
☆☆☆☆☆ 「英語産学複合体」をぶっ壊せ! -Shame on You!-
2024年9月8日に日本でレビュー済み
著者は日本の英語教育で生徒と先生(ALT)の両方を経験している米国人英語ネイティブ、ALT導入後30年余を経た今も日本人の英語能力伸長に成果が挙がっていない原因を、日本に巣食う「英語産学複合体」(著者の造語)という巨大権力構造にありとする。さらに小学校の「国語」にもその原因を求める。
生徒として中学3年間、英語教科書に違和感を感じ、何が書いてあるのかわからずパープル暗号みたいと思い帰国。その後ALTとして来日するが、やはり「日本人の英語」はまがい物でぎこちないまま。中高教科書が間違いだらけの英語でいっぱいなのは英語教育学系の学者に責任の一端ありで、おかしな英語でも「ですます」訳読だとおかしく感じられなくなるので出版社は欠陥教科書を作り続けていると。
「日本人は礼儀正しいけれど、英語で話すとすごくぶっきらぼうになるね」といわれるのは、小1からの「ですます」お稽古が英語学習で祟りだすから。さらに、明治期の英文法を手本とした「国文法」が、生徒に混乱を与えるとし、日本人が英語学習でつまずき身につかない原因は「国文法」に染まっているからとし、「日本語文法」を排除した「国文法」が英語アレルギーの要因と結論づける。
そして、昔も今も感じる違和として、たかが語学の教材に国際貢献、人権、反戦、環境保全など大仰な話題が盛り込まれていることを挙げ、これは教育委員会へのセールスポイントであるとする。中学英語教科書はいろいろな利害や面子のぶつかり合いとその調整の上に形になり、あちこちに歪みを抱えていると。
その他、気になった記述を箇条書きで挙げると―
・どの子も英語学習に関して石頭なのは「国語」に足を取られている
・教科書に登場するまぼろしインターナショナルスクールが害悪をなす
・中3時の業者テストが「日本人の英語」への順応を促す
・「日本人の英語」を揶揄しつつ教材本で稼いでいる英語母語者たち
・日本の学校英語は欠陥品ゆえに英語産業を成り立たせている
・英語教科書を批判する本は少ない
・「英語利権・不安複合体」とでも呼ぶべき、国家スケールの妖怪・怪物
「第3部 小学校の英語は、どうしてこんなに胸が痛むのか・・・」、第3部の見出しなのだが、筆者の心の内が端的に表現されている。本文の記述からは著者エルフバーグ氏の日本愛が随所に感じられるがゆえに、どうしようもない葛藤が滲み出ていて、こちらが申し訳なくなる。
さらに、いわゆる歴史認識にも正鵠を射ており偏らず日本を位置づけ、世界史の中での日本を日本語を語っている。ぜひ本を手にとって読んでみてほしい。☆9.9!
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7月にも面白い書評があったので、ついでに紹介しておきますわ ⇩