おとなのさんすう、おさらいしましょう
算数のきほんは二つ。「数える」と「比べる」。
小学校にあがって、さんすうで最初に習ったこと、思い出してみてください。どなたも「数える」だったと思います。
以下のふたつの絵をごらんください。
この二つの絵には、あることでいっしょです。なんだとおもいますか。
「3?」
あたり。
考えてみてください。鳥と人ではちがう生き物なのですが、「数える」という行為によって同じものになってしまうのです。これってどえらいマジックだと思いませんか。
もうひとつの算数のきほん「比べる」について考えてみましょう。
左の方のほうが、右の方より背が高い。見ればわかることです。これが「比べる」。
「数える」は「数」を特定できるわけですが、「比べる」はそれができない。ここ重要です、しっかり頭に入れておいてください。
「数える」と「比べる」のりょうほうと呼べるのが、これ。
これは「測る」ですね。目盛にそって、一番近い目盛りを「数」とみなす。
「数える」は必ずきりのいい数になります。一つ、二つ、三つ… しかし「測る」はそうならなくて、134センチと少しとか、44.5キロくらいとかの、けしてきりのいい数にはならない。
この「数える」をデジタル、「測る」をアナログと呼びかえるならば、「比べる」はこのまんなかになります。
考えてみてください「測る」ことで134センチと数が出るのは、134センチの目盛りと「比べる」ことでなされるのです。
デジタルとアナログは、どこかでうまく折り合いをつけないといけないわけです。
小学校で習う、いわゆる算数のテーマはこれに尽きるといっていいくらいです。
「数える」と「測る」に折り合いをつけるには、「比べる」をどこまでも細かく繰り返していくことです。
どこまでもですよ。
これが「無限」そして「無限小」の存在理由です。
デジタルとアナログに橋を架けるもの、それが「無限」と「無限小」のペア。これ覚えておいてください。大学で数学を本格的に学ぶとき、必ず役に立ちます。