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「お嬢さんご安心を、必ずぼくらが解決してみせます」

連日とてもいじましいことで悪戦苦闘試行錯誤が続いています。お料理上手な方が、料理下手のひとが料理に挑んでいる様を見ながら「あほや」と苦笑いするような、そういういじましい悪戦苦闘をし続けています。

私はマニュアルを頭から順に読んでいくのがとりわけ苦手です。横柄上司が「いいから使い方を教えろ!」「こういうときどうしたらいいんだ、やり方をさっさと教えてくれ」「その都度訊くからその都度教えてくれ」と私の脳内で癇癪を起こしまくるのです。それを必死になだめながら、時には癇癪返しもしながら、マニュアルの迷宮を自分なりにダンジョンマップ化していくわけです。

映画「薔薇の名前」に出てくる、ラビリンスな図書館

同じことは数学能力についてもいえます。たとえば複素数について、自分は前からもっとスマートに学生さんたちに教えてあげられるんじゃないかって考えてきました。「複素数ってなんだべ?」と思った方は検索してくださいいちいち説明しないといけないくらい深い話をするつもりは今回ないので、なんか知らんけどそういう不可解なすーがくがあるんだーってイメージしていただければそれで十分です。

迷える十代の頃、地元図書館でこのシリーズと出会って、どの巻も第一章はめっちゃ易しげなので「よっしゃラスト30講まで毎日ひとつずつ読み進んだろ」と思って読み進むうちに頭痛と腹痛と自尊心崩壊の激痛に襲われるという、青春の痛みを味わった、思い出深い数学入門本です。


これの第六巻が『複素数30講』ですね。ここ数日、時間の空いたときに再読していたのですが…

著者の志賀先生、詩情と数学史の素養がブレンドされた、味わい深い解説をされていて味わい深いです。これを私なりにもっと直観的にわかるように書き替えていけるんじゃないかと、思うわけですよ。

マニュアルでもまんが本でも、開けてみて「あっ面白そう」「ああこれは易しそう」と一瞬で判断されます。そういう一瞬で心を掴んでみせるようなものが、今の私ならできるかもしれないなって思うのです。


お手本としてイメージしているのがこれ。何度かご紹介してきました。

著者の性格を反映してか、読んでいると何だか腹が立ってくるところとか、あまり直観的とはいえなさそうな比喩が混じっていたりとか、不満も多々あります。私の手で、志賀本とこれをうまくミックスしてもっと平明かつ自信と勇気を授けてくださるようなものにできないかなーって、夢想中です。



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