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大学3年生、下北沢でカフェを開くまで
こんにちは。私は現在休学中の大学4年生で、9人の大学生とともに下北沢という場所でカフェを経営しています。
カフェの名前はcafe.millennium(カフェミレニアム)といいます。2021年6月にオープンし、もうすぐ開業から1年半を迎えます。ここまで支えてくださったお客様、スタッフのみんな、周囲の皆さん、全ての人に心から感謝をしています…。
今まで新作メニューやイベントついての発信はしてきましたが、カフェ内部の出来事については外に発信をしてこなかったので、1年半を節目にこれまでの自分の経験について少しづつ発信していくことにしました。
これまでの約2年ほどの期間は友人ともゆっくり話すタイミングがなかったので「かすみは何をしているんだ?」と謎が深まっていた私のお友の皆さんも、是非この記事を読んでくれたら嬉しいな~と思っています。
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大学1年、漠然とした不安と退屈な日常
2019年春、地元の第一志望に落ち、東京の私立大学の経済学部に進学しました。
進学先は望んだ場所ではなかったものの、「大学は、大きく学べる場所だ」という高校の学年主任の先生の言葉に期待し、私の大学生活は始まりましたが、その期待は裏切られることとなります。
興味のあった経済学の授業は、一方的に淡々と説明される理論をただノートに書き写すようなものばかり。ペーパー知識にとどまるような学びばかりでした。毎日、出席の為に使用される中身のないリアクションペーパーを書き、テスト期間になると高校の知識で解けるような簡単なプリント問題を解き、テスト前になると集まってくる友人に渡す。
学びも交友関係も薄い大学生活は、私にとってなんだかもの足りなく、”夢中になれる何か”を常に探していました。そのころから、これといった”とりえ”がなかった私は、漠然とした将来への不安に駆られるようになりました。
「何かしなくてはならない…。」という不安に駆られ、目的も見つかっていないままに手段ばかりを探す日々でした。
ある時、知り合いの先輩から誘いを受け、あるインターンに申し込んだことがありました。課題選考は通るも、最後の面接で俗にいう「ガクチカ」を聞かれ、当時の自分は全く言葉が出てこず、選考に落ちてしまいました。今考えてみれば「自分は何をしたいのか?その活動を通して自分自身が何を得たいのか?」(目的)をクリアにしたうえでインターン(手段)を受けるべきなのは明白なのですが、当時の私はとにかく何かしら手段をとることで自分の自信を手に入れたい、自分の将来への安心材料がひとつでもいいから欲しい、の一心で行動し同様の失敗を繰り返しながら、自信を失っていきました。
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大学2年、コロナ渦で出会ったワクワク
そんな中、2020年の2月頃から新型コロナウイルスが流行。オンラインでの授業が始まりました。大学にも通えなくなり、自分自身と向き合う時間が増えたことで、私はさらに漠然とした不安を募らせることとなりました。
何を血迷ったか、将来の為にInstagramでも学んでおけば役に立ちそうと考え、趣味のインテリアの一部や作ったお菓子をInstagramで発信しはじめました。そんな調子で、私の単調なコロナ渦生活は続いていきました。
夏の終わり頃、あるとき高校時代から仲が良かった友人(太陽)から、カフェのバイト先の友達(詢)と学生時代の思い出作りに「ホットサンド屋」をやってみたいと話していることを聞きつけ、いつか自分でお店をやってみたいな~とぼんやり考えていた当時の自分は「自分もやりたい!」とこれに食いつきました。私のPOPUPカフェの形なら、学生の自分達でも資格さえとれば営業できるということを知り、その日から学生時代の思い出づくりとして期間限定のカフェの開催に向けた準備が始まりました。コロナ渦で何となく居場所がなかった当時、3人で下北沢に集まってお店作りの為の話し合いをする時間、1人の家に集まって「あーでもない」「こーでもない」と料理を試作したり撮影したりする時間は、自分にとってこの上なく充実した、かけがえのないものでした。
直近で資格を取る為の講習の予約が取れたのは、大学2年の終わりの年明け1月。その為、POPUPカフェの開催は春休みの3/30~4/1の4日間に決定しました。
もちろん、まったくの無名の大学生3人がやるお店ですから集客は知り合い向け。高校や大学の友人に声をかけまくりました。私の趣味用のInstagramは、いつのまにかカフェの集客用のアカウントとなりました。
何をやるにもその都度知らないことばかり出てきます。居酒屋でしか飲食アルバイトの経験がなかった自分は、年明けに下北沢のあるカフェのバイトをはじめ、カフェの運営を学ぶことにしました。
オーナーさんと店長さんのお二人は、私の期間限定のカフェの為にお客さんへの宣伝を手伝ってくれ、沢山知識を共有してくれました。温かい周囲の方々のお陰で、準備は着々と進んでいきました。
2021年1月から本格的に始まったカフェの準備。コロナ渦中の3か月間に比べ、オープン直前の3か月間はとんでもない速さで過ぎていきました。
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大学3年春、POPUPカフェ営業での感動体験
大学3年生に進級する春休みの3月末、ついにPOPUPカフェのオープン日がやってきました。前日からとんでもない仕込みの量に翻弄されながらも、なんとか当日の朝を迎えました。すでに初日とは思えない疲労感とともに1日が始まります。しかし、そこには疲労も一気に吹っ飛ぶくらいの喜びがありました。コロナ渦で1年以上顔を合わせていなかった大学の友人、2年以上ぶりに会う高校時代の友人、中学時代からの友人…お店をオープンできたことの喜びはもちろんですが、純粋に人との再会に喜びを感じました。カフェの場にいる友人同士も久々の再会に感動し、そこには「喜び」がつまった空間が広がっていました。
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自分達が予想していなかった喜びもありました。来てくれた大学生の友人達から「こうやって同級生が頑張っている姿をみて励まされた」「学生でもお店を運営できるなんてすごい」「自分もいつか飲食店をやってみたいという夢があったけど、友達が店をしていることを知って勇気をもらえた」といった嬉しい声を掛けていただいたのです。少しかもしれないけれど自分達の活動が意図せず人の心を動かしたり、人の励みになっていたことに、今までに経験した類の喜びとは違った、特別な喜びを感じました。この喜びが、のちに私達を大きく動かすこととなります。
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また、4日間の営業で「大学では得られなかった実践知」もありました。営業の中で日々オペレーションの課題がみえてきました。毎日、締め作業を終えると近くの店でご飯をかきこみ、すぐに3人で反省会をしました。お互いに思いっきり意見をぶつけ、改善策を考える時間は新鮮で充実していました。日々の課題と向き合う中で「大学の企業経営論ででてきたPDCAってこれか!」「経済学の授業ででてきた損益分岐点ってこれか!」とペーパー知識がはじめて実践知となって自分達の中に吸収されていきました。
4日間の営業を終えた最終日。売上は人件費を抜いて計上してマイナス500円という結果でした。時給すら発生しなかったのに、私達はどんなアルバイトの後よりも達成感に満たされていました。高揚した心で、3人で打ち上げには5000円のコースを食べに行きました(笑)(利益マイナスですが…笑)この日の充実感とお酒の美味しさは今でも忘れられません。
単調な大学生活にどこか物足りなさを感じていた私にとって、この4日間のPOPUPカフェ営業は大きな転機となり、2ヶ月後の店舗開業に繋がります。
POPUPカフェを転機に始まった、新たな挑戦
3月末から4月頭に学生時代の思い出づくりとして開催したPOPUPカフェは、思わぬ方向に私達を動かすこととなりました。4日間の営業後、カフェのInstagramのDMに一通の長文が送られてきました。送り主は当時大学2年生に進級するタイミングの女の子でした。文章を簡単にまとめると、「大学生でもカフェを開けることに驚いた。自分も一緒にメンバーとして働かせてほしい」という旨の内容が、熱い想いとともに綴られていました。想定外の連絡に私達は驚き、自分達のたった4日間の活動が想像以上に周りの学生に影響を与えていたことに心を動かされました。とはいえ、自分たちのカフェは4日間だけの営業だったので、その先どうするかなどまったく考えていませんでした。
しかし、4日間を終えたあと「あのワクワクと感動をもう一度味わいたい…!」という想いが強く芽生えているのは確かでした。女の子からのDMがきっかけとなり、「この経験をもう一度、この女の子を加えて新しいメンバーでやってみないか?」という話に発展していきます。
当時、自分たちは大学3年生に進級するタイミングでした。当時大学の授業はオンライン実施。開業リスクが少ない間借りの飲食店営業も流行していた時期でした。そこで、自分たちも学生しながらカフェを営業できるのではないか?という話になり、3人で間借りカフェ開業に向けて動き出すこととなりました。
肌で学んだ、カフェ開業までの日々
前述のとおりPOPUPカフェの終了後、まもなくして間借りカフェ開業の準備が始まったわけですが、忙しすぎて当時の記憶があまりありません。場所探し、人探しに毎日のように3人でバタバタと動き回り、オープン日は6月21日に決定しました。POPUPカフェの営業後から約2ヶ月ほどの期間で、店舗設備諸々の準備、メニューの開発から販促、新たなスタッフ候補との役割分担など、新たな仕事が山ほどありました。合間で週11コマの授業と開業費用を貯める為のアルバイトを2つ掛け持ちしており、生活はパツパツもいいところでした。当時の生活は体力的にはハードだったにも関わらず、心は充実感で満たされていました。毎日のように新たな経験や新しい人との出会いがあり、大学をはるかに超える面白い世界に夢中になっていきました。
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ここまでが、私が下北沢で間借りカフェをオープンするまでの出来事になります。6月21日以降、オープン前の経験を上回る、更に濃い日々を過ごすこととなります…。今回は間借りカフェのオープンに至った経緯を綴ってきましたが、次はオープン後の話をできればなと思っています…^^
文章が長くなっちゃいましたが、最後まで読んでくださった方ありがとうございます。