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新世界のあたま #302

FUJI ROCK FESTIVAL ‘22 のライブ配信を楽しんでしんいる。

俺は2013年に一度だけフジロックを観に行ったことがある。当時大阪市内に住んでいた俺にとって、フジロックに行くというのは異様にハードルの高いことだったけど、それと同時にフジロック行かずしてフェス好きは語れまいという思いも並行して持っていた。日本のロックフェスの草分け的存在であるフジロックに行くということは、憧れであり、かつ済ませておかなければならない儀礼でもあった。

フジロックの早割チケット抽選が開始されていることを、会社のパソコンでアクセスしたフジロックの公式サイトで知った。どうせ行くなら全日程参加したい。大阪から参加するなら、1 週間近く休みを作ららなければだめだ。ふつうに勤めていては、なかなかそんなことはできない。その場で抽選に応募して、同時に退職することを決めた。

天国のような空間だった。寝ても醒めても、あっち行ってもこっちに行ってもロックが鳴っている。他のフェスと比べものにならないくらい、客の熱が強い。ロックが好きでしかたがない連中でひしめき合っている。そんな空間だった。

それから今までの9年間、フジロックに行くことは叶っていない。フジロックの洗礼を浴びてしまったせいか、ほかのフェスが物足りなくなるという副作用に見舞われこともあった。それくらい、あきらかに特別で異様な空間だった。

シンプルに山のなかで行われているということで、ほかのフェスとあきらかに空気感が違うということも大いに影響しているけど、それよりもその場に集まったフジロックファンたちの醸す熱量がすさまじい。これは配信では伝わらない部分だと思う。出演しているメンツの濃さに出会いに行くよりも、フジロッカーのなかに混ざることにこそ、なにより意味があるような気がしている。

こんなに偉そうに書いているのに、俺はたったの一回しか参加できていない。だけど、たった一回でも参加できたこと自体を誇りに思えるようなフェスなのだ、フジロックは。

9年前と今では自分が置かれている状況はまったく違っている。もうフジロックに全日程参加することはできないかもしれないけど、あのとき仕事をやめてまでして参加したことで、ほとんど何の悔いも残さずに暮らしていくことができると思っている。



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