新世界のあたま #321

体調がなかなか落ち着かない状態だったので、ふだん日常的にやっていた、深夜にコツコツと曲を作ったりミックスダウンをするということが、この10日間ほどできなかった。昨日の深夜、リハビリ感覚で少し手をつけてみようと思い、少し重い身体に少し力を込めてパソコンの前に座った。

そこから先は、リハビリのつもりだったのにも関わらず完全に平常運転ができた。自分の体調や体力がどれくらいの状態なのか、頭で考えて測ることはできないらしい。どうやらほとんど元通りだったようだった。感覚的なものも大して鈍っていなかったようで、ずいぶんとホッとした。

病気になったときなんかに、平常運転がむずかしくなってしまって、ライフワーク的なものが一気に止まってしまうとき、これはこれでいい機会だからとあっさり止められる人と、止まれば止まるほど元の感覚が取り戻せなくなるような気がしてしまうタイプに分かれると思う。俺は完全に後者で、昨日までの約10日間本当に気持ちが沈みはじめていた。振り返ってみると、今までみたいにちゃんと曲を作ったりすることが、俺にはもうできなくなってしまったんじゃなかろうかという、漠然とした不安が日に日に膨らんでいるのだった。

このパターンに近いことは、割と日常的起きていて、たとえば少し気合いを入れて曲を作ったりすると、今日たまたま俺はそれができたのであって、もう二度とこんなことはできないんじゃなかろうかと思うことがしょっちゅうある。経験上、そこでできたようなことはほとんど間違いなく再現ができると、もう理論的にも感覚的にもわかっているはずなのに、それでもその不安は日が空けば空くほどじりじりと俺の気持ちを削ってくる。

そういう意味では、簡易的ではあるものの毎日曲を作ってはYouTubeのアップするという、自分にとってはもはや修行以外のなにものでもないと思っているライフワークが、俺自身の気持ちのほうを救っているのだと気付かされる。一切先に進んでいなかったとしても、その場で停滞することくらいは出来ているわけだし、それがどれだけ重要なことなのかを、俺はよくわかっているような気がしている。


今日のMUSICTRICAL

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