HOCHONO HOUSE / 細野晴臣
細野晴臣さんのファーストアルバム「HOSONO HOUSE」を、2019に再構築した「HOCHONO HOUSE」
ちゃんと、まじめに歌ものでの曲作りと演奏を自分の音楽活動におり混ぜはじめてだいたい2ヶ月くらい。できるだけシンプルなセットで、気軽にやれるということを自分なりに重視しているので、やれることをぜんぶ詰め込まないようにすることは、けっこう重要なポイントになる。
参考になりそうな音楽を意識的に聴いているなかで、「HOCHONO HOUSE」のことを思い出した。リリース直後にすてきなアルバムだなあと思いながら聴いていたけど、こういう角度で聴くのはリリースされてから3年経過した今がはじめて。
あらためてちゃんと聴いてみると、手作り感がものすごくいいということに気付いた。制作中、ラジオで細野さんはこの作品を作るのにものすごく労力を使ったとおっしゃっていたけど、聴いている分にはそんな力み具合は感じられず、とてもリラックスした音像が感じられる。
ただし一歩踏み込んで聴いて楽曲自体はものすごく複雑で、細野さんの細野さんたる所以みたいなものを感じさせられる。けっこうとんでもないことを、ほんとうにあっさりやってしまっているような雰囲気が出る。
アメリカの若手インディーミュージシャンがやりそうな、不思議で捉え所のないヘンテコアレンジがけっこう多い。細野さんのかつての音楽に海外のミュージシャンたちが共鳴し、リスペクトする意味がここでちょっとわかる。
そして歌がすごくいい。ほとんど丸裸の声が鳴っている。俺は歌ものをやるにあたって、声を加工することを自然とやりたくなっている。「HOCHONO HOUSE」を聴いていると、自分のそのやり方がどこか逃げになっているんじゃないかと思わされる。それくらいに潔くて、かっこいい。声は、それでこそ楽器として扱えるんじゃないかと思わされる。
聴いているとだんだん、早く曲を作って演奏したい気分になってくる。こういう作品は、聴いていてうれしくなる。ありがとう細野さん!
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