Ableton Note

来年、iPhone から Android に乗り換えるつもりでいる。そのつもりではいるのだけど、今とても気持ちが揺れている。

Ableton Live でおなじみの Ableton が、Ableton Note という現時点で iPhone でしか使えないアプリをリリースした。このアプリのコンセプトがめちゃくちゃにいい。Note にスケッチするように、作曲のアイデア出しに的を絞り切っているのだった。うわー、これはやられたという気持ちで使ってみたら、UIもすばらしくて、最高に扱いやすいし、なによりたのしい。

iPhone 用の作曲アプリは、この数年でかなり進化していて、パソコンがないとできないことが iPhone でもできるということに感動してきた。ただし、どこまでいっても画面の小ささのせいで、パソコンより操作しやすいというには至らなかった。場所を選ばずに作曲できるという点のみが何よりの強みだった。

その理由は明確で、つまり作曲 = パソコンでするもの という基準点がもう整い過ぎていた。Ableton Note はその概念ごと全部やりなおしてしまったのだった。パソコンにできなくてスマホでできることを、真剣に考えまくった結晶だということがひしひしと伝わってくる。

SNSを開くくらいの手軽さで、作曲に入ってしまえる。昨日一日だけでも、俺はこのアプリを何回も起動させた。アイデアの軸になるものができれば、あとはそれをブラッシュアップしたい気持ちが残るので、すんなりとパソコンでの作業に移行しやすい。使いやすいという技術的な部分じゃなくて、次にまた作曲をしたいと思わせる気持ちの手軽さがここまで音楽にとって大切なことだったのかと思わされる。

こんなものを作られてしまっては、俺はもう iPhone が使いたくなってしまう。頼むから来年までに Android 版リリースしてほしいが、今のところ公式的に出しますよなんてことはどこにも書いていない。非常に困った。



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