装画『入試問題で身に付く 物理の教養』-メイキング
装画を担当いたしました。
1:ご依頼のきっかけ
今回のご依頼のきっかけは、2018年刊行の『数学と恋に落ちて』。
岩波ジュニア新書さんから、若い女の子向けに出された数学の本です。
担当編集さんがこちらを書店で見かけて、イラストを気に入ってくださったという経緯だったそうです。ありがたや。
そして『物理の教養』には姉妹書に『入試問題で味わう東大物理』があります。基本的にはこちらと似たかんじで人物カットを、というオーダーでした。
2:オンライン打ち合わせ・アイディアスケッチ(約3週間後)
今回は特にひねる必要がなさそうだったので、シンプルに人物を配置。
『東大物理』とは男女の位置を入れ替え、ポジティブな表情に。
奇抜にならない程度のオシャレ感と大学生っぽさを意識しました。
また『数学と恋に落ちて』は「外国の女の子っぽく」というオーダーでしたが、こちらはなんとなく日本人に見えるように。
カラーリングについては、事前にいただいたデザインラフが黄色・オレンジ基調だったのでとりあえずそこへ合わせてみました。これもポジティブな印象になってちょうどいいのではと。
ほぼ問題なく通り、細かいところはお話ししながら赤を入れました。
物理といえばどんなアイテムを持たせるとしっくりくるか…というのは私には思い付かなかったのですが(ゴリゴリの文系です)、デザイナーさんの「リンゴでいいんじゃないですか、ニュートンのイメージで」というお言葉に成る程〜!となりました。
3:ラフスケッチ(約1週間後)
最終的な大きさや位置はデザイナーさんが決めるので、
・「教」の字とかぶる男子の足裏がうるさくならないように
・タイトルの黒色の邪魔をしない配色に
などをあらためて頭に留めつつ。
4:納品(ご依頼から約1ヶ月半)
そのままとなりに並べると女子の方が若干大きくなっているんですが、「タイトルとのかぶり方でも女子が手前にきてるかんじなのでそれでいいですよ」とのこと。
そこそこ大人の男女を描く時は目鼻の大きさなどどこまで統一するかちょっと悩ましいです。今回は『数学と恋に落ちて』のイメージが先に来つつ、親しみやすいかわいらしさを出したいなーと思ったので女子の目はちょっと大きめ。
輪郭線をちゃんと描く絵柄はちょっと久しぶり。
久しぶりすぎて線画がなんかうまく決まらなかったのでこれまた久しぶりにシャーペンで線を引きました。やっぱり線を引くなら紙にシャーペンが一番描きやすい…(しかし肩が凝るのであった)。
5:完成
『数学と恋に落ちて』は刊行から数年経っているのですが、それがまだ店頭に置かれていて、実際に「装画で見る人の目を留めた」というのは本当に嬉しかったです。
『物理の教養』もいろんな人の目を引けることを祈っております。
サポートしていただいた売り上げはイラストレーターとしての活動資金や、ちょっとおいしいごはんを食べたり映画を見たり、何かしら創作活動の糧とさせていただきます。いつも本当にありがとうございます!!