装画『たそがれの侵入者』-メイキング
装画を担当いたしました。
noteでは紹介していませんでしたが、
2021年に双葉社さんの雑誌『小説推理』にてモノクロイラストを制作しておりました。そこから二度目ましてのお仕事です。
今回の装画は、同じく赤川次郎さん著『三毛猫ホームズ』シリーズの装画・挿画で「いろんな個性を持つ人物が描けそう」と思っていただけたから、とのことでした。
嬉しい!
1:ご依頼・ゲラ読み
ゲラを実際に読んでみると予想以上に登場人物が多く群像劇っぽいな、と感じました。けれど新書サイズだしやっぱりメイン二人に絞った方がよさそうだな、作中に出てくるモチーフを散りばめながら構成してみよう…と考えながら読み進めました。
2:アイディアスケッチ/オンライン打ち合わせ(約1週間後)
基本的な方向性は問題なく、主な修正は「泥棒あすかをより派手なファッションに」というオーダーになりました。
本編を読んだかんじだとあまり派手な格好はしなそうな印象でしたが(目立つと泥棒稼業はやりづらそう)、装画としてはわかりやすさと華やかさが欲しいというかんじですかね。
余談ですが泥棒あすかの脳内キャストは田中要次さんですって言ったら編集さん・デザイナーさんにウケてちょっとおもしろかったです。別に似顔絵ではありませんが。
3:レイアウトラフ(翌日)
文字や帯との兼ね合いもあるので、ロープの位置はデザイナーさんに指示していただきました。
(帯の上にくるっと輪っかがひとつ出るかんじ)
4:ラフスケッチ(約2週間後)
あまり描く機会はありませんでしたが中年・老年の人物を描くのも好きです!特に「ちょい悪オヤジ」は初めてのオーダーでしたね。サスペンス小説はちょっとクセのある人物が描けて楽しいです。
出会いがフルーツパーラーというのも不思議な図でおもしろいですよね。スイーツも描いてて楽しいモチーフ。
あらためて見ると「おじさんがおばあさんのケーキを狙っている」ようにも見えますが…笑
など、細かいところを修正したラフをもう1回だけ挟んで本制作に進みました。
5:納品(ご依頼から約1ヶ月後)
普段は若者をご依頼されることが多いので、「おばあさんとおじさん」という組み合わせは新鮮で楽しかったです。
特にこんなちょい悪オヤジっぽいのは初めて。派手シャツの柄をどうまとめようか迷いましたが、自分でも気に入った色味に仕上げられました。
5:完成
実際に印刷されたものは、納品データより背景の黄色が少し赤みがかって濃い色になっております。
今回は表紙のみでのご依頼でしたが、
イラストの背景にあったナイフと血痕が裏表紙のワンポイントに使われていたりします。
使われること前提で描いたようにしっくりきてておもしろかった。
よろしくお願いいたします。
ついでに
『三毛猫ホームズ』のほかに、似た系統の作品👇