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【#才の祭】xu賞、および大賞の講評を発表いたします。【小説部門】

いよいよ才の祭・大賞の発表がなされました。

結果を見て、喜ばれた方・がっかりされた方、さまざまいらっしゃるかと思います。


正直、1つしかない椅子を取り合うのは、かなり至難の業だと思います。

これは、たった30人しか受験者がいない公務員試験で、2つの椅子を取り合ったわたしが経験してきたことだから言えます。


たった30人でも、残りの28人はこぼれ落ちてしまう。

今回の応募は130作品以上。倍率はこれより上ということです。


今回惜しくも大賞を逃してしまった方に向けて、わたしからxu賞を送らせてください。

ほんとうは、みんなを一等賞にしたかった。

ですが、今回5名の方を受賞とさせていただきます。ご了承くださいませ。


まずは、大賞であるちょこさんの講評、続いてxu賞の発表とさせていただきます。


大賞『「もう好きじゃないよ」ってどういう意味?』ちょこさん:講評

審査員として、130を超える作品を読ませていただきましたが、ほんとうにどれも良い作品で、一つに絞らなくてはいけないのが心苦しかった。


その中でも、直感的に惹かれたのが、ちょこさんの作品でした。
まずは、冒頭から引き込まれる文章。傷心した少女の行く先は、皮肉にも幸せそうな男女ばかり。浮かれた街と少女の心境との対比が巧みに描かれていると感じました。

そして、物語は一気に好転します。不器用な彼の不器用な言葉に、クルクルと変わる彼女の心。恐ろしいぐらいに物語の中へとグイグイと引き込まれていきます。


ストーリー的にはベタな展開かもしれないけれど、丁寧な心理描写と情景描写がずば抜けていると感じました。
今まで忘れていた、甘酸っぱい恋の味が蘇ってくるような物語です。

みなさんも、耳が真っ赤になるほどのドキドキするような恋を、経験したことがあるのではないでしょうか?
そして、この作品を読むことで、当時のドキドキが蘇ってくるのではないでしょうか?(わたしは耳が熱くなりました)


「みんなの」という観点でも、運営一同の意見が一致し、この度大賞とさせていただきました。
この後、こちらの作品がどのような歌詞になるのか、楽しみですね。

ちょこさん、受賞おめでとうございます。これからのご活躍も応援しております。


🎖xu賞発表

『HAPPYサンタで賞』:あめしきさん

サンタをメインにしたラブストーリー。読んでいてとてもほっこりしました。

サンタさんの裏の顔は、きっとこんな感じなのかもしれません。

みんなの笑顔を見るために。その裏には並ならぬ努力があるからです。


そして、そんなサンタさんが活動を続けられるのは、隣で寄り添ってくれる妻がいてこそ成り立ちます。

大切なものやなくしたものを教えてくれるような、そんな心あたたまる物語でした。


ここに、あめしきさんへxu賞を贈らせていただきます。
あめしきさん、素敵な作品をありがとうございました。


『王道ラブストーリーで賞』:望月みやさん

忖度なしで、ほんとうにみやさんの作品を心待ちにしていました。

彼女のショートショートは、以前企画に参加してくださった作品から折り紙付き。


冷静な後輩くんと、鈍感な女上司。

クリスマスの中、男女2人で残業をこなすオフィスに、ラブストーリーが生まれないわけがありません!

最後のシーンでは、思わず顔が火照ってしまいました。


どこにでもありそうな、王道ラブストーリー。

でも、みやさんが書くからこそのリアルな情景描写や、個性のあるキャラに感情移入すること間違いなしの作品です。


ここに、望月みやさんへxu賞を贈らせていただきます。
望月みやさん、素敵な作品をありがとうございました。


『思わず声と涙が出るで賞』:いぬいゆうたさん

続いては、家族のラブストーリー。

家族愛のご投稿も多く、どの作品も素敵でしたが、その中から思わず声が出てしまった作品をピックアップさせていただきました。


祖父が亡くなり、一人残されたおばあちゃんが日に日に弱っていくように感じられることから、主人公は母よりおばあちゃんに顔を出すようにと言われます。

ふと、おばあちゃんから届くショートメッセージには、『エーアイ』という単語。

『エーアイ』なんてあげた記憶がない主人公は、とうとう認知症になってしまったのかと、おばあちゃんの家に向かう足を急がせます。


おばあちゃんが言う『エーアイ』の正体に気づく時、あなたは思わず声を出さずにはいられません。

合点がいったと同時にうるっと来てしまうような、そんな素敵な物語です。


ここに、いぬいゆうたさんへxu賞を贈らせていただきます。
いぬいゆうたさん、素敵な作品をありがとうございました。


『どんな形でも愛で賞』:闇夜のカラスさん

闇夜のカラスさまは、各賞の受賞歴があることから、文章力は目を瞠るものでした。

大賞に選べなかったのが心苦しいほどの良作です。


フツーとは、一体なんなのでしょうか。

わたしは、性別を越えた恋愛に偏見はなく、むしろ肯定派の人間です。(マイルドなバイなので)


どんな形でも、愛ということに変わりません。

『フツー』という枠組みの中でもがきながらも、お互いの幸せを確立していく様子に、心が打たれました。


2人が幸せに向かっていくことを心から祈って。

切なさとひたむきな気持ちがじんわりと心に溶け込むような、優しい物語でした。


ここに、闇夜のカラスさんへxu賞を贈らせていただきます。
闇夜のカラスさん、素敵な作品をありがとうございました。

※余談ですが、サムネイルもとってもキレイですね。シガレットキス、美しいです。


『ギミックが素敵で賞』:かっちーさん

今回の企画では、わたしの個人的な意向として、できればまだあまり知られていない人を選びたいという思いがありました。

きっと埋もれてしまっているだけで、素敵な作品はいくらでもnoteの街にはあると思っていたから。

なので、かっちーさんの作品は、内輪企画にしたくなかったので選ぶつもりはありませんでしたが、良作だったので選ばずにはいられませんでした。


一つのてぶくろに込められた思い。双方の作品を読むからこそ繋がる物語。

考え込まれて作られた物語で、脱帽せざるを得ません。

男女が対になっている作品なので、ぜひSide.Aも併せてお読みください。


ここに、かっちーさんへxu賞を贈らせていただきます。
かっちーさん、素敵な作品をありがとうございました。


最後に

選考にあたり、わたしはかなり苦渋の決断をしました。

大賞の時も、xu賞の時も、とってもとっても悩みました。


せっかくご応募してくれたのに、申し訳ないな。

ものすごい罪悪感に苛まれていました。


だからこそ、こぼれ落ちてしまった方々に伝えたい。

紛れもなく、この企画に応募した時点であなたのことを知ってくれた人は数多くいます。


ダッシュボードを見てください。

プレビュー数は、いつもの記事より多くありませんか?


こうして、作品を出すことによって、見つけてもらえる確率が増えるわけです。


大切なのは、スキだと思うことを続けること。

続けることが実力に繋がりますし、何よりあなたにぴったりリンクするファンが必ず現れます。


だから、創作することを辞めないで。

この結果が、すべてではありません。


今回、小説に初挑戦してくれた方もいらっしゃいます。

これにより、創作の幅が増えたのではないでしょうか?

また、あなたの新たなファンも増えていることと存じます。


今回、大変恐縮ながら審査員を務めさせていただきましたが、正直どの作品も素敵な作品ばかりで、応募していただいた作品でアンソロジーを作ることができるレベルだと思っています。

だからこそ、選考には非常に頭を悩ませました。


こうして作品を世に出すということは、あなたも立派なクリエイターです。

そのことを忘れずに、楽しく創作を続けていきましょうね。


また、どこかでお会いしましょう。

この度は企画にご参加いただき、ありがとうございました。


※賞状は、riraさんが作成してくださったものです。riraさんもお忙しい中ありがとうございました。


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