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僕の通った数学参考書ルート

まず私にとっての受験科目における数学の立ち位置ですが、できれば合格の決め手にはなり得るが、できなくても不合格の決め手にはならない科目だと捉えていました。

数学という科目は突き抜けようとすると、時間が膨大に溶けていきます。
長時間考えた問題がするっと解けたりする瞬間にドーパミンが出まくってしまい、他の教科に時間を割く必要があったのに時間をかけられないという沼にハマってしまうのです。

さらに、私は地方公立出身だったので、小さい頃から学習を積み重ねてきた中学受験層や、鉄緑会などに通う超上位層の学校に通う都市部の医学部受験生には、私の力ではどうやっても敵わないと痛感してもいました。

このことを初年度に感じ、これはまずいと思って方向転換をしました。

数学に関しては合格のボトムラインの得点を安定してとるレベルまでに学習時間を制限するようにし、他の科目での点数でビハインド分を巻き返す戦略を取りました。


私は数学が模試でも最も点数がブレる科目だったのですが、これは他の多くの受験生にもあてはまることだと思っています。最上位勢は数学がとにかくできるので、自分はこの流れに追随しないほうがいいのではないかと考えました。

目標は合格すること、つまり受験の合格最低点を超えることなのだから、合格確率をあげるためには、難問を解けるようになることではなく、定石で解ける問題を「素早く」「正確に」解き、点数を安定させることを目指しました。

以下、①基本学習、②網羅系+計算問題集、③過去問分析、④分野別問題集、⑤演習問題集と5つのフェーズに分けて計画を立て、実行しました。



基礎学習

・入門問題精講


最初の基礎固めとして忘れているところをもう一度やり直すのに使いました。初学者の使用にも適しているいい参考書だと思います。ただ、自学で進めていてはわからないところもいくつかあったので、下で紹介する映像授業のスタディサプリで補完したり、それでもわからなければオンラインで個別指導をお願いしていた医学生(後に詳細あり)に質問して解決するようにしていました。


・スタディサプリ

上にも書いたように、参考書のみで進めるのが難しい分野のみスタディサプリを使用しました。特に初学できつい軌跡などの分野で重宝しました。

余談なんですが、数学の講座を担当していたのが高校の時に通っていた予備校の数学の先生でだったことです(ヒゲです笑)
※わかる人にしかわかりません汗


網羅系参考書

ある程度の基礎を終えた後は網羅系に移りました。

・黄チャート

使用したのは黄チャートです。

網羅系参考書の候補として、Focus Gold、青チャート、ニューアクションレジェンドが候補にあがるかと思いますが、自分の場合は「典型問題の網羅を短時間で」ということをテーマにしていたため、上の3つの参考書ではなくレベルをひとつ落とすことにしました。

この時点でまだ解くのが難しかったコンパス4つ以上の問題はあえて飛ばして進めています。

結局、コンパス4つ以上に戻ってきたのは、過去問分析が終わりかけた時だったかと思います。


・実力強化問題集

黄チャートでの典型問題の習得をした後は実力強化問題集を用いてさらなる問題の解法の道具集めに移りました。

この参考書は私が受験戦略を練ったときには市販されていなかったので、メルカリで購入して使っていました。その時は表紙が今とは違い、サイズもコンパクト(A5かな?)でした。

黄チャートで習得した典型問題とかぶる問題も多くありましたが、黄チャートの問題よりもさらに細分化して小問集合のような形で各単元ごとに構成さており、それぞれ問題を解く道具がどのように使われるのかを意識して使用しました。

ここまで終えた時点で全統模試で偏差値70近くまで到達していたかと思います。

計算問題集

・合格る計算


さらに数学の得点安定化で欠かせないのが計算力です

典型問題の網羅を終えた後も模試などであと一歩成績が伸び悩んだのがここでした。制限時間がある模試で最後まで残していた応用問題を「あと5分あったら解けてたのに…!」という状態が続き、さらに失点した部分はほぼ計算ミスだけという状態が続き、点数が止まりました。

この状態を打開したのは、間違いなく計算演習を行ったことが大きな要因だったと思います。

計算力=正確性×速度 です。

当時、北大の医学部生の方にオンライン指導をしていただいており、その先生からこの参考書を勧められてルートに組み込みました。数学の勉強開始後30分はこの参考書での計算練習をウォームアップとして使っていました。

先生からは「周りの同級生も本当に計算は大事にしていたと言っていた。そしてミスとの向き合い方は医学部に入ってからも大事になる。計算ミスをただのケアレスミスとして処理している人は、試験本番でも同様のミスを繰り返す。徹底してこれと向き合うことが大事だ」と言われ、放置していた自分を反省して徹底して見直しました。

またこのミスと向き合うことの大切さは医師になってからも重要な能力だと言われ、俄然やる気がでたのを覚えています。


過去問分析

・第一志望10年分 / 第二志望5年分 / 第三志望3年分

過去問分析は、その後の演習期間を考えると夏終わりまでに終えることが大事だと思います。

具体的なやり方としては一つの一回目は時間制限あり、二回目は時間無制限で問題を解いていき、合格最低点とのギャップ研究を行いました。時間制限と時間無制限での解答の違いを見て、その違いをなくすためにはどのようなことをこれからしていけばいいのかを考えました。

時間無制限であれば解けたものは、計算力をあげること、足りなかった知識の補充ができればいいので、その部分を中心に秋以降にやることを決定しました。具体的には分野別に弱い問題集を用いて補完したり、知っていたら解ける問題を増やしたりなどしました。

さらに、捨て問の選定の練習などもこの時期に行いました。
何回も書いていますが、大切なことは合格最低点を超えることです。とる必要がない問題に時間を費やし、lとるべき問題を落とすことが合格から遠ざかることだと強く言い聞かせ、徹底してこの練習を行いました。「積極的に諦める」ということですね。


分野別問題集

・合格る確率

・教科書だけでは足りないシリーズ 複素数平面


過去問分析を行って露わになった苦手分野を中心に問題演習するのに使いました。しかし、使った問題集の中には、自分の志望大学のレベル感とあっていない問題も多く含まれていたので、一部は飛ばしてつまみ食いするようにして使用しています。

大学への数学でおなじみの安田先生も同じようなことを書かれていたのを見るまでは一冊すべて完璧にするということを思っていたのですが、それを見てからは「なんだ、つまみ食いでいいんだ」と気が楽になって、分野別の問題集にも手を出すようになりました。

演習問題集

・医学部攻略の数学

こちらは応用問題の定石を学ぶために使いました。
初見では解きにくい、知っておくべき問題が多々掲載してあります。
講習でお世話になった代ゼミの数学の小林先生に勧められたのでルートに入れました。

直前期最終仕上げ

・実戦演習問題集

予備校の冬期講習の演習ゼミのような問題がひたすらにかき集めてくれてある問題集です。特に問題の選定レベルが中堅国公立医学部受験生にとってはちょうどよく、これまでの総復習をアウトプットする形ですることができました。

おまけ

上位問題や、その他典型手法を調べるのに辞書代わりとして使っていたサイトがこちらです。

駿台、ただよびでも講師をしている永島先生のサイトです。
特に、平面の方程式を出す時に使う外積など高校範囲を逸脱したところの解説まで秀逸で、しかもKindle unlimitedで読み放題だったのでお財布にも優しく、本当に重宝しました。知らなかった方はぜひとも覗いてみてください。
※永島先生にお礼のコメントをしたところ、サイトのレビューとしてHP上に文章を載せてくださいました。

まとめ

以上が私が約3年間で行った数学のルートになります。冒頭にも書いたように数学は解けた時に脳汁がでる(私だけ?)ので、限られた1日という時間の中でいくらでも時間を使えてしまいます。しかし、数学の得点を頼りにすると、合格確率が下がる恐れが大きかったため、一日の中の勉強最長時間を徹底して制限して他の科目にもしっかりと時間を使うように意識しました。

結局最上位大学医学部以外の受験生の合否を分けるのは典型問題を正確にミスなく得点できるかどうかにかかっていると思います。

そのため、受験戦略としてはいかに早く典型問題を仕上げるか、解答を再現できるかにかかっています。その点を意識して進めるべきだと僕は強調したいです。

人によって受験戦略は異なりますし、数学の試験問題では正解は一つに定まるように作られていますが、「数学の勉強法」という問題に関しては一つには決して定まらず、受験生の数だけ正解があると思います。ぜひいろいろな人の情報を噛み砕き自分の最適な受験戦略を作り上げていってください。そのために私の経験が参考になれば幸いです。

もし私で力になることがあれば、コメントしていただけたり、初月無料のプランをつかっていただければできる限りのことをさせていただきます。

それではまた。

読みに来てくれてありがとうございます!