トリックテイキングについて考える①
◆目的
思考の整理。トリックテイキング(以下トリテ)を作ったり、遊んだり、調べたりした時に考えたことを言語化してみようと思う。
他の人が語っていることや間違っていることもあるかもしれないが、とりあえず気にせず書いてみることにする。
トリテの用語についてはここでは説明しないし、自分の作った用語も出てくる。トリテを作る目線で要素を分解していく構造になると思う。
◆手札運の緩和
トリテの歴史は古く、ほぼトランプの歴史とほぼ同じだという。本当かどうかはわからないがトランプで出来るトリテが沢山あることは確かだ。
トリテには「手札の強い奴が必ず勝つとつまらない」という問題がある。
トリックを取れば取るほど勝利に近づくタイプのゲームでマストフォロー・切札なしのゲームでは手札運がほぼ全てであり、一度トリックを取るとそのままラウンド終了まで同じ人がリードし続けて終了…となる。これは面白くない。
そこで切札と予想(以下ビット)の概念が産まれた。らしい。
切札があることによって、強い数字のカードに弱い数字で勝つことや、強い数字で負けることができることによりゲームの局面に揺らぎが生じる(読み切れない)。
これは非常によかったが、切札>数字の高いカード となりやはり手札運が非常に大きいことに変わりはない。
そこでビットが出てくる。常に勝ちたい・常に負けたいゲームではなく、「今は勝ちたいが次は勝ちたくない」「あいつにもう一回勝ってほしい」「これ以上負けられない」などの複雑な局面が生まれるようになり手札を見てどのような戦い方をしたいかを考えてゲームをプレイすることができるようになった。
◆ゲームの目的
シンプルなトリテには点数を集めるゲーム(以下プラス)と失点を避けるゲーム(以下マイナス)、何回トリックを取るかを調節するゲーム(以下ビット)があると思う。
前項でビットに触れたが、プラスとマイナスではビットが導入されていないものを想定している。
プラス(点数を集める)
プラスはトリックを取るという行為がゲームの勝利へと近づくため、分かりやすいのが特徴であると考えられる。またトリックに勝つ人は例えば4人戦では4人に1人である。トリック毎に強い幸福が1つと不幸が3つ生まれると考えることもできる。
プラスで面白い局面は「あと一回勝ちたい!あいつより勝ちたい!」という場面で勝利/敗北するシーンである。逆に勝利できないことが確定しているシーンはつまらない。
よってプラスではワンサイドゲームにならないように気を付ける必要があると考える。
(例:リードプレイヤーがトリックを取るとき不利になる など)
マイナス(失点を避ける)
逆にマイナスはトリックを取るたびにゲームの敗北へと近づくため、トリック毎に幸福が3つと強い不幸が1つ生まれると言える。勝利ごとに喜ぶというよりは敗北しなかったことに安堵するイメージだ。
マイナスで面白い局面は「トリックを取りそうな局面で回避できた」シーンと「誰かにトリックを取らせた」シーンだと感じる。しかし上の図の通り負けた方には強烈なストレスがかかるため、一度負けると這い上がれない・ずっと負け続けることは避けなければいけない。
ただ平均的にみると満足している人の方が多いため面白い時間が長いのはマイナスであると考えることも出来るかもしれない。
理屈でいうと、トリックを操作する仕組みが重要なのかもしれない。出したくないのに切札や数字の大きいカードを出させる仕組みや、その逆の仕組みである。
また書いているうちに思ったが、
トリックに負けた人へのアフターケア
5本のきゅうりやハーツなど決定的に負けてはいけないトリック
なども導入してもいいかもしれない。
ビット(手札によりトリックを調整する)
ビットは挙げた中では一番複雑なタイプで、①ラウンドの最初に自分が何トリック取るかを予想し、②それを実現するようにカードをプレイしていく。
ゲームによって「●トリックを取ります」と宣言した人とその他の人とのチーム戦になるタイプやそれぞれが自由にビットをするタイプなど様々である。
ビットで面白い局面は「手札を見て予想したビットが当たった」シーンである。
ビット自体が主役でカードプレイ自体は脇役になっているゲームも少なくない。間違いなく挙げた3つのタイプ中では一番複雑だが、トリテの技術面の向上や戦略性の高さなどトリテの魅力を深く楽しみたい人にはおすすめだ。
その代わりにビット自体に頭を使うので軽いプレイ感になるようにした方がいいかもしれない。
新しく作るにはトリック自体もそうだが、ビット自体にも工夫が必要だと言える。
◆まとめ
ゲームの目的により、プラス・マイナス・ビットの3タイプに大別できる
タイプに応じて弱点を補うような仕組みを導入する必要がある
どのタイプのトリテも「手札の強い奴が必ず勝つとつまらない」ため、手札運を緩和するような(またはそう感じさせる)工夫が必要である
ゲームの目的から逆算して考えると今のところはこんなところだ。これだけでは大したことは分からなかった。
仕組みを部品(モジュール)として捉えて、「こんなゲームには、この仕組みが向いている」という風に考えていくと事務的ではあるが一歩ずつ面白いトリテを作る工程を進んでいけるように思う。
先人がこのような工程を試していない訳はないため、車輪の再開発になりそうだが、1つのアイディアに対して他の部品をくっつける時の判断材料にはなりそうなので体力のある時にまた書きたいと思う。
疲れたから今日はこれで終わり。
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