書評【常世の花 石牟礼道子】
図書館で借りる本を見つけ安堵して歩く、近くにあったのが若松英輔の【常世の花 石牟礼道子】であった。
若松は批評家でNHK「100de名著『苦界浄土』で講師を務めた。
本書は石牟礼と若松との対談(対話)を主としている。
常世(とこよ)とは、無常なる今生の彼方の場所、永遠の国であり、死者の国でもある、と。
現在、「雑談対話でつながろう」をNPOで月例交流会を開催している。
対話は「傾聴と語る」で思料している。
高齢者との対話を日常の務めとしている。そこでは対話がつながらない場合が多い。なにか話さなければと焦る。
石牟礼と若松との対話で、若松の問いに石牟礼は「どんな感じでしょう・・・・。(二分ほど沈黙)してからとうとうと話す。
また、生者の本当の仕事は、自己の理想を語ることでなく、他者の沈黙に耳を傾けることではないか、と。
対話には沈黙する間が必要である、と考るようになってから市民後見活動が容易になった。
著者は雑談をするため水俣の石牟礼の住まいを訪ねる。メモや録音をするのでもなく、ただ漫然と話を聞いている。
雑談対話には漫然と話を聞く姿勢が大事であること思う。
本書は。市民後見活動の実践に活用できると思う。
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