『創業者と一緒に成長できる』起業支援の魅力
起業支援に取り組む中小企業診断士の集まり『スタラボ』。
今月の座談会は、中小企業診断士の日景聡さまの『ワークショップ型創業支援セミナーの最新事情』です。
■日景 聡さま
マスコミ出身。編集記者として身に付けた情報収集力や分析力をもとに、ビジネスモデルをよりわかりやすく解きほぐすカタチで創業支援に取り組む。2年前に独立し、中小企業のSDGs経営の推進にも注力。中小企業診断士。LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ。
以前から、ウワサで少しお聞きしていたLEGOブロックを使ったワークショップ型の創業セミナー。今回は、ワークショップ型支援の内容やその魅力に加えて、ワークシートの使い方など、支援ノウハウもご紹介いただきました。
座談会での参加者への最初の質問。
「創業支援は、若手診断士、企業内診断士に向いている理由は?」
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答:「創業者と一緒に成長できるから」
この質問と回答に、参加者は日景さんの世界にぐっと引き込まれました。
他にも「さまざまな業種の相談を受け幅が広がる」「診断士で学んだ知識がすぐに使いやすい」「創業者も働いているので土日や夜間の対応」などメリットが多い。
それでも、診断士という仕事が常に自身のアップデートが求められることを考えると「創業者と一緒になって成長できる」という答えに納得でした。
以下、座談会の概要です。
1.積み重ねてきた創業支援のスタイル
診断士登録2年目から創業支援の実務に携わる。創業塾の補助講師から始まり、「創業促進補助金」の申請支援、各地域の創業塾、創業セミナーの講師など精力的に取り組む。
創業者の言葉にならないところを、マスコミ出身の取材力を生かして、ヒアリングで引き出す。創業者のモヤモヤした考えや想いを、誰もが納得するストーリーに変えていく。
支援者として、創業者の大切な計画を否定しないで、きちんとリスクは伝えることが大事。
2.ワークショップ型創業セミナーの特徴
最初に創業者の「モヤモヤ」を創業コンセプトシートを使って「何をしたい」「なぜしたい(想い)」を明確化させる。
といいながらも、最初からコンセプトシートをサラリと書ける人はほとんどいない。
そのため、LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用したワークショップを冒頭で開催。LEGOブロックを使って「現状」と「ありたい姿」を表現してもらうなど、ワークを通じて、創業を実現させるための課題を見つけていく。創業者自身が「現状」と「理想像」とのギャップを見つめなおすことで『創業の現実』を直視できるようになる。
他にも、ビジネスモデルキャンパス、共感マップ、価値提案キャンパス、想定顧客インタビューなど、自分の頭と手を動かしながら、自身の想いやアイデアをビジネスのカタチにしていく。
ワークショップ型のメリットとして
①モヤモヤ型創業者が自分を見つめられる
②自信家も悲壮感なく現実を直視できる
③対象顧客をとことん考え抜く
などがある。
ワークを通じて自分と向き合うことで、創業を見送る人も出てくるが、2~3年後に起業する人など、結果的に創業率は高くなる。
3.Withコロナ時代の創業セミナーの最新事情
コロナ禍にあって、創業を目指す人たちにも変化が起きている。
社会課題の解決を目指すような社会起業(ソーシャルビジネス)であれば、『在宅で、地域密着や地域貢献型のビジネス』を考える人が増えている印象。
このほか、学生起業、プチ起業(育児中の主婦等)、シニア創業でも、それぞれの分野で特徴的な動きが出てきている。
最後に
話をお聞きして「自分がもし創業するときには、ぜひこのワークショップを受けたい」と思いました。自分と向き合うワークで自身を探索することで、「本当に実現したいこと」に気づけそうな気がします。
自身の働く価値観や生き方の価値観の源流までさかのぼるからこそ、参加者一人ひとりに本気の『創業プラン』ができるんでしょうね。このワークショップを受けた人の創業率が高い、ということに納得です。
マスコミ出身で長年『人と向き合う仕事』をされてきた日景さま。話の節々から創業者の想いや考えを大切にされる姿勢が強く伝わってきました。
日景様 本日は本当にありがとうございました!