エッセイ : 久々にタイの事 -タイの食文化-
何処でメモしたか、自分で調べたのか分からないですが、タイでアニメーション企画を考えていた時にメモしたタイの食文化についてまとめを書きます。
概要
タイ民族は6世紀から13世紀にかけて今の中国雲南省の山岳地帯から移住してきた。
この頃の料理方法はとろ火で煮込む、直焼きまたは網焼きであった。 水系生活を反映して、水生動植物とハーブが主な材料であった。
肉塊は避け細かくしてハーブとスパイスを加えていた。 仏教の背景で大型動物の肉自体が避けられるようになった。
タイ料理が本格的に外部から影響を受け始めたのは、アユタヤ時代(1350-1767)である。
中国人は日干し、油で揚げたり炒める技術と共に、それに伴う調理道具、中華なべや蒸篭なども持ち込んだ。
今日でもタイ料理が四川料理と類似する面を持っている所以である。
17世紀
国際貿易が盛んになったアユタヤは自ずと西欧、アラブ、インド、日本などの食文化の影響を受けることになった。
ポルトガル人は洋菓子をナライ国王の王宮に紹介し、南米原産の唐辛子を使った料理をもたらした。
インドの仏教僧はカレーを持って来た。
インドの乳製品はタイでは椰子(ヤシ)油と椰子ミルクが代用された。
カレーの強烈なスパイスはレモングラスやバイマックルーのような新鮮なハーブによって和らげられたり増幅された。
結果としてタイ・カレーはインド・カレーよりスパイスは少なく生ハーブが多くなった。
18世紀
アラブの回教徒により、ラマ1世国の王室料理でアラブ料理が紹介された。
ピーナツを使った調理法は彼らによってもたらされた。
タイ人は外国料理を在来タイ料理とうまく融合させ、独自の料理として発達させた。
その結果が多様性を持った現在のタイ料理であり、今日も進化を続けている。
タイ料理の特徴(起源と特徴)
「タイ」という言葉は「自由な人」を意味する。
自由な思想は外国料理を在来の料理に融合させてきた。
タイ料理の説明は常に刺激的な唐辛子の辛さが強調されている。
それも事実だが「辛」は特徴の一部でしかない。 タイ料理は5つの味を含んでいる。
甘、酸、醗、塩、辛。
甘:砂糖よりも椰子蜜が好まれる。
スープ麺にさえ砂糖をかける人は多い。
酸:ライム、タマリンドが使われる。
唐辛子との組み合わせが好まれる。
醗:醗酵食文化を持つ。
醗酵臭が強い食品が多い。
塩:保存食として。
内陸部では保存食として野菜や魚介が塩漬けされる。
辛:新陳代謝促進と体感温度の調整。
唐辛子は多くの料理に含まれ、その種類と加工品も多い。
タイは食物に富んだ国である
雷魚 赤貝 ナマズ 海老 カニ 米 タピオカ 砂糖キビ キノコ 椰子 バナナ パイナップル マンゴースチン ライチ等など列挙に暇(いとま)がない。
豊富な食材と多様な調理技術により、料理はバリエーションに富んでいる。
また、食べる人は誰で、いつ何処で誰が調理するかによっても変化する。
出された料理をそのまま食べるのではなく、自分なりの好みで調味する。
タイの食文化は地域により特色がある
・北部 - 薄味の傾向がある。 醤油を使うことが多い。
・東北 - 唐辛子をふんだんに使う。 塩辛さを伴う。
・中央部 - 中国とタイ東北部からの移住者により、その影響を受ける。
・南部 - 魚貝類が多く唐辛子、胡椒を使う。
日本食と比較すると
・淡水の魚介類が多い。
・魚介料理が多い。
・硬い野菜が多い。
・生野菜が少ない。
・虫、ヘビ、カエル 齧歯動物(ネズミ・リスの類)を食べる。
時代ごとの特色
スコタイ時代
唐辛子の伝来はまだ。
王は家族のように国家を治める都市国家の長とされていたので、スコータイ時代には宮廷料理は存在していなかったと思われます。
アユタヤ時代
1511年に国交が樹立したポルトガルにより、中南米が原産の唐辛子がタイに伝わりました。
アユタヤ時代の食生活について書かれたフランス人の本によると「マスタードのようなドロドロしたカピと呼ぶ発酵したカニの塩漬けソースを珍重する」と書かれており、ナムプリックがよく食べられていたと思われます。
王はバラモンの梵天、シヴァ神、ヴィシュヌー神の三神が合体した天上人としての国王とされたため、庶民の食事と区別する宮廷料理がこの頃確立されたと思われます。
チャクリ時代から現代
ラマ5世チュラーロンコーン王は食通であったと言われ、新年には料理コンテストのようなものを開催したとされていることから、このころから宮廷料理はさらに洗練されていったと思われます。
クメール料理
辛くなく、香草もあまり使わないクメール料理は、「魚&ご飯」または「スープ&ご飯」を基本。
まとめ
タイ料理も風土、気候に則した食文化を形成して行ったものがベースとなる。
大きくは、高温多湿を凌ぐための食材を基本とした料理が種であることは明白です。
代表的なものは唐辛子、ココナッツで、昔からの料理やお菓子等は先ずこのどちらか又は両方が使われていて、皆さんご存知の"トムヤムクン"はその代表的な料理です。
最後に
食には取り合わせというものがあると思います。
辛いものには、甘いもの
脂っこいものとサッパリしたフルーツ
揚げ物にはスープ等汁物
そういうコンビネーションが普段ついつい忘れられるような気がします。
実は、このコンビネーションがバランス良い栄養が取れ、本来体が欲している食物なのです。
そして、本当に体が欲しているものこそ、その土地で生きて行くために必要なものです。
辛いものは食べると身体の代謝を促し発汗作用をも擁します。
発汗は表皮を湿らせ、体温を奪います。
故に、1年を通して気温の高い地域で食される事が多いのです。
日本は四季があり、南北に長いので様々な食文化が有ります。
その事を、私は誇りに思い、大切にしたいと思います。
タイ東北の植物園の蘭の温室。
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